第7面 中古車買い取り来年度に5万台、近畿地区でナンバーワンへ
ユーポスグループの経営責任者会議で新たな事業方針を打ち出した
中古車買い取り専門店チェーンのユーポス(柏原一郎代表取締役)は、近畿地区で地域最多となる年間5万台の中古車買い取りをめざす。現実績比倍増となる目標で、早ければ来年度にも達成したい考えだ。このため、チェーン本部の組織を見直し事業体制を強化したほか、加盟店支援に注力し店舗営業力を底上げする。中古車買い取り市場は、新車販売の低迷で目減りする中古車を専門店同士が奪い合うし烈な競争を繰り広げている。ユーポスが買い取り倍増計画を打ち出したことで、近畿の中古車買い取り市場は一段と競争が激化しそうだ。
今年度は近畿で3万台の中古車買い取りをめざす。10月からの下期には現在の61店舗から2桁増となる8店舗を新設し販売網を拡充するほか、店舗当たりの買い取り台数を月間4台増やす。このため、加盟店担当員のスーパーバイザーを2人から4人に倍増、加盟店ごとにその特性に合った営業力の引き上げを図る。
同時に、チェーン本部機能も強化した。「総務管理」と「マーケティング」「営業」の3本部制を導入し、加盟店の営業支援に力を注ぐ。また、マーケティング本部内に「IT戦略」部門を設置し、インターネットでの査定・買い取り事業もテコ入れる。
ユーポスは近年、グループ会社を設け出張買い取り形式で東京や九州、中国地区での事業強化を図っている。その一方で、専門店を先行展開する地元・近畿での買い取り台数を大きく増やすことで、グループ基盤固めを図りたい考えだ。
本紙調べによると、近畿地区の主要中古車オークション(AA)における今年1~6月上半期の出品台数は前年同期比4・7%減の56万8766台。新車販売の苦戦で中古車発生量が減少している格好だ。このため、中古車買い取り市場はタマを奪い合う状況が続いている。ユーポスが実績比倍増となる中古車買い取りをめざし取り組みを始めることで、近畿での中古車買い取り市場は一段と競争激化を示しそうだ。
[日刊自動車新聞]