【2026年調査】車購入者の44.4%がリセールバリューを意識。クルマ選びは「好き」より「売る前提」の時代へ?
「本当に欲しい車を選ぶ」から、「将来高く売れる車を選ぶ」へ。
クルマ選びの価値観が、少しずつ変わり始めています。
株式会社ユーポスが2026年7月に実施した「車購入時のリセールバリュー意識に関する実態調査」では、直近3年以内にクルマを購入した20代〜50代の男女744人のうち、44.4%が車購入時にリセールバリューを意識していたことが分かりました。
さらに、リセールバリューを意識して車を選んだ人のうち、58.2%が本来希望していた条件を変更していたという結果も明らかになっています。
かつてクルマ選びでは、デザイン、走行性能、ボディカラー、ブランドへの憧れなど、「自分が乗りたいかどうか」が大きな判断基準でした。しかし現在は、購入価格だけでなく、将来の売却価格まで含めて考える人が増えています。
背景には、新車価格の上昇、物価高、中古車相場の変動、残価設定ローンの普及など、近年の自動車を取り巻く環境変化があります。
本記事では、ユーポスの独自調査をもとに、なぜ今リセールバリューが重視されているのか、車選びにどのような変化が起きているのか、そしてリセールバリューとどのように付き合えばよいのかを分かりやすく解説します。
この記事のポイント
- 車購入者の44.4%がリセールバリューを意識
- リセールを意識した人の58.2%が希望条件を変更
- 最も妥協された条件はボディカラー
- リセール重視の背景には物価高や残クレ普及がある
- 一方で、現在の愛車の価値を把握していない人も多い
ユーポス調査で見えた「売る前提」のクルマ選び
今回の調査でまず注目したいのは、クルマ購入時にリセールバリューを意識した人の割合です。
リセールバリューとは、将来その車を売却するときに期待できる価値のことです。購入価格に対して売却時の価格が高く残りやすい車は、「リセールバリューが高い車」といえます。
リセールバリューが高い=値落ちが小さい車、ということになり、車の資産価値にとって非常に重要な要素です。
44.4%がリセールバリューを意識

調査では、「直近3年以内に車を購入した際、リセールバリューを意識して車を選びましたか」という質問に対し、「強く意識した」が15.2%、「ある程度意識した」が29.2%となりました。
この2つを合計すると、44.4%です。つまり、直近3年以内に車を購入した人のおよそ約半数が、購入時点で将来の売却価値を考えていたことになります。
これは、従来の「乗りつぶす前提」の車選びとは異なる動きです。近年は、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、3年、5年、7年といった期間で乗り換える人も珍しくありません。
一定期間で買い替える前提であれば、購入価格だけでなく、売却価格まで含めた「実質負担額」を考えるのは自然な流れといえるでしょう。
なぜ今、リセールバリューが重視されるのか
リセールバリューが注目されている背景には、複数の要因があります。
- 新車価格の上昇
- 物価高による家計負担の増加
- 中古車相場の変動
- 残価設定ローンの普及
- SNSや動画サイトでのリセール情報の拡散
中古車相場とは、中古車オークションや店頭販売価格などをもとに形成される市場価格のことです。
近年は、安全装備や先進運転支援システムの充実、原材料費の上昇などにより、新車価格が以前より高くなる傾向があります。
購入価格が高くなるほど、「将来いくらで売れるのか」は重要な判断材料になります。たとえ購入時の価格が高くても、売却時に高く評価される車であれば、結果的に実質負担額を抑えられる場合があるためです。
また、コロナ禍以降、中古車価格が大きく変動したことで、「車は売るタイミングによって価値が変わる」という認識も広がりました。
以前は中古車相場の情報は業界関係者に偏っていましたが、現在ではSNSやYouTubeなどを通じて、「リセールが高い車」「値落ちしにくい車」といった情報が一般ユーザーにも届きやすくなっています。
その結果、車選びは「購入価格を見る」だけではなく、「出口価格まで考える」方向へと変化しているのです。
58.2%が希望していた条件を変更していた

リセールバリューを意識する人が増えているだけではありません。
今回の調査では、リセールバリューを優先した結果、本来希望していた車の条件を変更した人が多いことも分かりました。
リセールバリューを意識して車を選んだ人に対し、「本来希望していた車の条件を妥協しましたか」と質問したところ、「一部妥協した」が46.4%、「大きく妥協した」が11.8%でした。
この2つを合計すると、58.2%になります。
つまり、リセールバリューを意識して車を購入した人の半数以上が、「本当は欲しかった条件」を何らかの形で変更していたことになります。
最も妥協されたのはボディカラー

妥協した条件として最も多かったのは「ボディカラー」で、35.4%でした。
車の色は、所有満足度に大きく関わる要素です。本来であれば、自分の好みで選びたい項目の一つです。
しかし中古車市場では、白、黒、パールホワイトなどの人気色は幅広い需要があり、査定時にも評価されやすい傾向があります。一方で、個性的なカラーは魅力がある反面、買い手が限られることもあります。
そのため、「本当は別の色に乗りたかったが、売却時のことを考えて人気色を選んだ」という判断が起きやすくなっていると考えられます。
メーカーやグレードも変更対象に
ボディカラーに続いて多かったのは、「メーカー・ブランド」と「グレード」で、いずれも32.3%でした。
中古車市場では、同じ車種であってもグレードや装備によって評価が変わります。人気グレードや需要の高い装備は、売却時にプラス評価につながる場合があります。
一方で、購入時には魅力的に見える仕様でも、中古車市場では需要が限定されることがあります。
このように、リセールバリューを意識する人は、単に「好きな車」を選ぶのではなく、「売却時に評価されやすい仕様」を選ぶ傾向が強まっているといえます。
車選びは「好きな車」から「損しにくい車」へ
もちろん、車選びにおいて好みや満足感は今でも大切です。
しかし今回の調査結果を見ると、車を「所有するもの」としてだけでなく、「将来売却する資産」として考える人が増えていることが分かります。
購入価格から売却価格を差し引いた実質負担額を意識すれば、単に安い車を選ぶことが必ずしも正解とは限りません。
高く買っても高く売れる車であれば、結果的に負担が小さくなることがあります。反対に、安く買えても大きく値下がりする車であれば、実質的な負担は大きくなる可能性があります。
車選びは、「好きな車」か「安い車」かだけでなく、「損しにくい車かどうか」という視点も加わってきているのです。
クルマ選びが「資産価値」を意識する時代へ
車は株式や投資信託のような金融商品ではありません。
しかし、購入時から将来の売却価格を考えるという意味では、クルマ選びにも「資産価値」の視点が入り始めています。
実質負担額で考える人が増えている
例えば、500万円で購入した車が5年後に300万円で売却できた場合、車両本体にかかった実質負担額は200万円です。
一方で、400万円で購入した車が5年後に150万円でしか売れなかった場合、実質負担額は250万円になります。
この場合、購入価格だけを見ると400万円の車の方が安く見えますが、売却価格まで含めて考えると、500万円で購入した車の方が負担が小さくなる可能性があります。
このように、「いくらで買うか」だけでなく、「いくらで売れるか」まで含めて考えることが、現在の車選びでは重要になっています。
残価設定ローンの普及も影響
残価設定ローン、いわゆる残クレの普及も、リセールバリューへの関心を高めた要因の一つです。
残クレでは、契約終了時の車両価値をあらかじめ設定します。そのため、利用者は自然と「この車は将来どれくらい価値が残るのか」を意識しやすくなります。
月々の支払額だけでなく、契約終了時の選択肢や残価との差額を考える必要があるため、車の価値が以前より身近なテーマになっているのです。
「損を避けたい」という心理も働いている
人は、同じ金額を得る喜びよりも、同じ金額を失う痛みの方を強く感じやすいといわれています。
車選びでも、「高く売れる車を選びたい」という前向きな理由だけでなく、「大きく値下がりする車は避けたい」という心理が働いていると考えられます。
今回の調査で、ボディカラーやグレードなどを変更した人が多かった背景にも、将来の損失をできるだけ避けたいという意識があるのではないでしょうか。
リセールを意識する人の意外な盲点
一方で、今回の調査では興味深い結果も出ています。
リセールバリューを意識して車を購入したにもかかわらず、現在の愛車の価値を把握していない人が一定数いることが分かりました。

3人に1人以上が現在の価値を把握していない
リセールバリューを意識して車を選んだ人に対し、「現在のリセールバリューを把握していますか」と質問したところ、「いいえ」と回答した人は34.2%でした。
つまり、リセールを意識して購入した人の3人に1人以上が、現在その車がいくらで売れるのかを把握していないことになります。
将来の売却価格を気にして車を選んだにもかかわらず、購入後は相場を確認していない。この点は、リセール重視の車選びにおける大きな盲点といえるでしょう。
中古車相場は、常に一定ではありません。需要と供給、走行距離、年式、車検時期、モデルチェンジ、輸出需要、季節要因などによって変動します。
そのため、「まだ売る予定がないから」と相場を見ないまま乗り続けていると、売却に適したタイミングを逃してしまう可能性があります。
価値を確認しない理由は「まだ売らないから」だけではない

現在のリセールバリューを把握していない理由として最も多かったのは、「売却予定がまだ先であり調べる必要がないため」で51.3%でした。
すぐに売る予定がなければ、相場を確認する必要はないと考える人が多いのは自然です。
一方で、2位には「査定を申し込むと営業電話がかかってきて面倒なため」が20.4%で入りました。
これは、価値を知りたい気持ちはあっても、査定サービスを利用することへの心理的なハードルが存在していることを示しています。
特に一括査定サービスでは、複数の買取店から連絡が入るイメージを持っている人も多く、「相場だけ知りたいのに営業されそう」と感じてしまうことがあります。
しかし本来、「相場を知ること」と「すぐに売却すること」は同じではありません。
今の価値を把握しておくことは、買い替え時期の判断や、車検前の検討、ローン残債との比較など、将来の選択肢を増やすためにも役立ちます。
ポイント
リセールバリューは「売る直前」にだけ確認するものではありません。今の愛車の価値を知っておくことで、買い替えや売却のタイミングを判断しやすくなります。
中古車市場では、なぜ相場が分かりにくいのか
リセールバリューを考えるうえで、もう一つ重要なのが中古車市場の分かりにくさです。
中古車は、同じ車種、同じ年式であっても、条件によって価格が大きく変わります。そのため、一般のユーザーが自分だけで正確な相場を把握するのは簡単ではありません。
査定額は年式や走行距離だけで決まらない
車の査定額は、単純に年式や走行距離だけで決まるものではありません。
例えば、以下のような要素が総合的に評価されます。
- 車種、グレード
- 年式
- 走行距離
- ボディカラー
- 内外装の状態
- 修復歴の有無
- 純正オプション
- 車検残
- 市場需要
- 輸出需要
- 季節要因
特に、中古車オークション相場や輸出需要、人気グレードの動きなどは、一般ユーザーには分かりにくい情報です。
そのため、「ネットで見た相場」と「実際の査定額」に差が出ることもあります。
車の査定額が決まる仕組みの記事でも詳しく解説しています。
価値を知ることは、売却を急ぐことではない
査定と聞くと、「売らなければいけない」「営業されそう」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、現在の市場価値を知ることは、必ずしもすぐに売ることを意味しません。
車検前、ローン完済前、家族構成が変わるタイミング、次の車を検討し始めたタイミングなどに、今の愛車の価値を把握しておくことで、より冷静に判断しやすくなります。
例えば、「あと1年乗るか」「車検前に売るか」「次の車の頭金にするか」といった判断は、現在価値を知らなければ比較が難しくなります。
リセールバリューを意識するなら、購入時だけでなく、所有中にも価値を確認することが大切です。
中古車査定の現場から見た、リセールバリューとの付き合い方
リセールバリューは、これからの車選びにおいて重要な判断材料の一つです。
ただし、リセールバリューだけで車を選ぶことが、必ずしも正解とは限りません。
例えば、3〜5年程度で乗り換える予定がある人であれば、リセールを意識した車選びによって実質負担額を抑えられる可能性があります。
一方で、10年以上長く乗る予定であれば、将来の売却価格よりも、日々の使いやすさや満足度を優先した方が納得感につながる場合もあります。
車は資産価値を持つ一方で、毎日の生活を支える道具でもあります。
通勤に使うのか、家族で使うのか、趣味で使うのか、長距離移動が多いのかによって、重視すべきポイントは変わります。
そのため大切なのは、「高く売れる車だけを選ぶこと」ではありません。
自分のライフスタイルに合った車を選びながら、現在の価値を定期的に把握しておくことです。
リセールバリューは、車選びのすべてではありません。しかし、上手に付き合うことで、買い替えや売却の判断をより納得感のあるものにできます。
ユーポスからのひとこと
リセールバリューは、購入時だけでなく所有中にも意識しておきたいポイントです。今の愛車の価値を知ることで、売却や買い替えのタイミングを考えやすくなります。
調査概要
| 調査主体 | 株式会社ユーポス |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年7月3日〜7月5日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 直近3年以内に車を購入した20代〜50代の男女 |
| 調査人数 | 744名 |
※回答比率は小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります。
よくある質問
Q. リセールバリューとは何ですか?
リセールバリューとは、車を売却するときに期待できる価値のことです。購入価格に対して売却時の価格が高く残りやすい車は、リセールバリューが高い車といえます。
Q. リセールバリューが高い車の特徴は?
人気車種、人気グレード、人気カラー、需要が安定している車などは、比較的リセールバリューが高い傾向があります。
Q. 車の色で査定額は変わりますか?
変わる場合があります。白、黒、パールホワイトなど需要の高いボディカラーは、査定時に評価されやすい傾向があります。ただし、車種や市場環境によって評価は異なります。
Q. 残クレ利用時はリセールバリューを意識すべきですか?
残価設定ローンでは将来価値が重要になるため、リセールバリューを意識することは合理的です。ただし、月々の支払額だけでなく、走行距離や車両状態、最終的な選択肢も含めて考える必要があります。
Q. 今の車の価値を知る方法はありますか?
中古車買取店で査定を受けることで、現在の市場価値を把握できます。査定の流れについてはこちらの記事をご参照ください。
まとめ
ユーポスの調査から見えてきたのは、クルマ選びが「購入するだけのもの」から「売却まで含めて考えるもの」へ変化しているということです。
直近3年以内に車を購入した人の44.4%がリセールバリューを意識し、そのうち58.2%が本来希望していた条件を変更していました。
特にボディカラー、メーカー・ブランド、グレードといった項目は、リセールバリューを意識した車選びの中で見直されやすい条件となっています。
一方で、リセールバリューを意識して購入したにもかかわらず、現在の愛車の価値を把握していない人も少なくありません。
車選びで後悔しないためには、購入時の価格だけでなく、将来の売却価値や現在の市場価値も含めて考えることが大切です。
ただし、リセールバリューだけを重視しすぎると、本来の満足度を下げてしまう可能性もあります。
大切なのは、自分のライフスタイルに合った車を選びながら、必要なタイミングで価値を確認することです。
リセールバリューを上手に活用することで、より納得感のあるカーライフにつながるでしょう。
監修者情報
株式会社ユーポス
経営企画部 マネージャー 山崎竜平
中古車業界歴18年。マーケティングおよびIT・システム領域を担当。プライシング設計・運用に10年以上携わり、査定精度向上に向けたシステム開発・改修にも従事。






