車の色で査定額はいくら変わる?実査定データで人気色・不人気色を検証
車を購入するとき、「売るときのことまで考えるなら白か黒がいい」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
中古車市場では、一般的に白・パール系や黒系は「人気色」とされ、シルバーや一部の原色系などと比べてリセールバリューが高いといわれています。
では、実際の査定ではボディカラーによってどの程度の差が生まれるのでしょうか。
同じ人気色である白と黒ではどちらが有利なのか。赤や青などの色は本当に査定で不利なのか。さらに、車の価値が下がっても色による差は残るのか。
今回は、ユーポスが保有する実際の査定データをもとに、ボディカラーと査定額の関係を分析しました。
単純に色ごとの平均査定額を比べるのではなく、車種・型式を分けたうえで、年式、走行距離、グレード、車両評価、査定時期などの違いを統計的に調整しています。
今回の分析で分かったこと
- 白・パール系、黒系は実際の査定でも強い
- 白と黒を直接比較すると、多くのモデルでは大差がない
- 一方、明確な差が確認されたモデルでは白・パール系が優勢だった
- 大きな差が出やすいのは「白と黒」より「人気色とそれ以外」
- 色による影響は車種・モデルによってかなり違う
- 車両価値が低くなると色の影響は小さくなる傾向があるが、30万円以下でも差は残る
白・黒は本当に高く売れる?
結論からいうと、今回の分析でも白・パール系と黒系は査定上強い傾向が確認されました。
中古車は、次に購入するユーザーがいて初めて商品として成立します。そのため、中古車市場で購入希望者が多い色ほど再販しやすく、査定でも評価されやすくなる傾向があります。
特に白・パール系と黒系は幅広い車種で需要があるため、一般的に「リセールの良い色」「人気色」とされています。
では、同じ人気色である白・パール系と黒系を直接比べると、どちらが高いのでしょうか。
ここは少し意外な結果になりました。
白・パール系、黒系の双方で50台以上のデータが確保できた45型式を分析したところ、統計的に明確な差が確認されたのは一部でした。
| 白・パール系と黒系の比較 | 型式数 |
|---|---|
| 白・パール系が有意に高い | 10型式 |
| 黒系が有意に高い | 0型式 |
| 明確な差なし | 35型式 |
つまり、白と黒はいずれも人気色なので、多くのモデルでは両者に明確な査定差がないというのが実態に近いと考えられます。
一方で、統計的に明確な差が確認された10型式では、今回の調査ではすべて白・パール系が優勢でした。黒系が明確に優勢となった型式はありませんでした。
白と黒では、実際にどのくらい差がある?
代表的なモデルを見てみましょう。
| 車種・モデル | 白・パール系の黒系比 |
|---|---|
| プリウス30系(ZVW30) | 約+4.5% |
| プリウス50系・2WD(ZVW50) | ※有意差なし |
| プリウス50系・2WD(ZVW51) | ※有意差なし |
| 初代アクア(NHP10) | 約+7.2% |
| アルファード30系・2.5Lガソリン・2WD(AGH30W) | 約+1.5% |
| ハリアー60系・ガソリン・2WD(ZSU60W) | 約+5.3% |
| ハリアー80系・ガソリン・2WD(MXUA80) | 約+3.4% |
※年式、走行距離、グレード、車両評価、査定時期などの違いを統計的に調整した結果です。
例えば初代アクアでは白・パール系が黒系を約7.2%上回りました。一方、プリウス50系のZVW50やZVW51では数値上の差はあるものの、統計的に明確な差とはいえませんでした。
白と黒のどちらを選ぶかで大きくリセールが変わるモデルもありますが、人気色同士では実質的にほぼ互角というモデルも多いということです。
そして今回の分析で、それ以上に大きな差が確認されたのが、
「白と黒の差」ではなく、「人気色とそれ以外の色の差」
でした。
人気色から外れると、査定額はどのくらい変わる?
代表例として、プリウス50系を見てみます。
プリウス50系・2WD(ZVW51)では、白・パール・黒などの人気色と比較して、シルバーやレッドに明確な差が確認されました。
| ボディカラー | 人気色との査定差 |
|---|---|
| シルバー | 約-15.1% |
| レッド | 約-25.9% |
特にレッドでは、年式や走行距離などの条件を調整した後でも、人気色に対して約25.9%低い傾向が確認されました。
もちろん、「赤いプリウスなら必ず25.9%安くなる」という意味ではありません。
車両ごとに装備や状態、市場相場は異なります。今回の数値は、それらの条件差をできる限り調整したうえで、データ全体から確認された傾向です。
それでも、白と黒ではほとんど差が出ないモデルでも、人気色から外れると10%を超える差が生じるケースがある点は注目できます。
初代アクアでは「色物」の差がよりはっきり
ボディカラーによる違いが分かりやすく現れた車種の一つが、初代アクア(NHP10)です。
白・パール・黒などの人気色を基準とした結果は次のとおりです。
| ボディカラー | 人気色との査定差 |
|---|---|
| シルバー | 約-12.9% |
| ブルー | 約-16.7% |
| ライトブルー | 約-18.4% |
| レッド | 約-18.7% |
アクアではシルバーだけでなく、ブルー、ライトブルー、レッドでも人気色との差が確認されました。
特にレッドとライトブルーは約18%の差となっています。
ただし、ここから「赤や青の車は査定が安い」と一般化することはできません。
赤い車は安い「赤い車は安い」とは限らない
ボディカラーの人気は、車種によって違います。
スポーツカーとミニバンでは購入するユーザー層が異なりますし、SUVとコンパクトカーでも好まれるカラーは同じではありません。
同じ赤でも、その車のイメージに合って人気が高いケースもあれば、中古車として買い手が限られるケースもあります。
今回の分析でも重要だったのは、色そのものではなく、
「車種 × モデル × ボディカラー」
の組み合わせでした。
そのため、「赤は○%安い」「青は査定で不利」といったルールをすべての車に当てはめるのは適切ではありません。
リセールを考えるのであれば、そのモデルの中古車市場でどの色が好まれているかを見る必要があります。
シルバーは本当に査定で不利?
赤や青と違い、シルバーは落ち着いた定番色です。それでも中古車業界では、白・黒に比べるとリセール面で弱いといわれることがあります。
今回のデータでも、複数のモデルでその傾向が確認されました。
| 車種・モデル | シルバーの人気色比 |
|---|---|
| プリウス50系・2WD(ZVW50) | 約-15.2% |
| 初代アクア(NHP10) | 約-12.9% |
| 2代目シエンタ・ガソリン・2WD(NSP170G) | 約-22.6% |
シルバーは汚れや細かな傷が目立ちにくく、実用面ではメリットのあるカラーです。
一方、中古車として販売するときの需要を見ると、モデルによっては白・パール・黒系の方が明確に強いことが査定データからも確認できました。
特に2代目シエンタのガソリン・2WD(NSP170G)では、人気色との間に約22.6%の差が確認されています。
もちろん、これもすべての車種に当てはまるわけではありません。「シルバーだから安い」ではなく、モデルごとに見ることが重要です。
車の価値が下がると、色による査定差はなくなる車の価値が下がると、色による査定差はなくなる?
ここでもう一つ気になるのが、車そのものの価値が低くなった場合です。
新しく査定額の高い車であれば、ボディカラーが中古車としての売りやすさに影響するのは想像しやすいでしょう。
では、車両価値が30万円、20万円、10万円と下がっても、色による差は残るのでしょうか。
今回の分析では、当初、
「30万円程度まで車両価値が下がれば、色による差はほとんどなくなるのではないか」
という仮説も検証しました。
しかし、結果はそこまで単純ではありませんでした。
30万円以下でも人気色とその他の色には一定の差が残っています。
例えば初代アクアでは、色を考慮しない基準車両価値が10~20万円のグループでも、人気色はその他の色より約12.6%高い傾向が確認されました。20~30万円では約13.0%、30~40万円では約14.3%でした。
プリウス30系でも、10~20万円で約6.4%、20~30万円で約13.3%、30~40万円で約15.2%という結果です。
低価格帯になるほど色の影響が弱くなる傾向はあるものの、「30万円を下回れば色は関係ない」といえる明確な境界は確認できませんでした。
今回の分析では、「30万円以下なら色による査定差がなくなる」という結果にはなりませんでした。
車両価値が低くなるにつれて色の影響は小さくなる傾向がありますが、10~30万円程度の価格帯でも一定の差が残っています。
リセールを重視するなら何色を選べばいい?
今回のユーポスの査定データから考えると、将来のリセールを重視するのであれば、白・パール系または黒系はやはり比較的安全な選択肢といえます。
白と黒を直接比べると、多くのモデルでは明確な差がありませんでした。
一方、差が明確に確認されたモデルでは、今回の調査ではすべて白・パール系が優勢でした。
そのため、白と黒で迷っているのであれば、リセールだけを理由に無理にどちらかを選ぶ必要はないでしょう。
それよりも注意したいのは、人気色から外れた色を選ぶ場合です。
プリウスやアクアのように、モデルと色の組み合わせによっては人気色と10~20%以上の査定差が確認されたケースもあります。
ボディカラー選びの考え方
数年で乗り換える予定で、リセールを重視する場合
→ そのモデルの白・パール系、黒系などの人気色を選ぶメリットは比較的大きいと考えられます。
長期間乗り続ける予定の場合
→ 色による査定差だけを過度に気にせず、自分が気に入った色を選ぶという考え方もあります。
もちろん、車は数年間、場合によっては10年以上付き合うものです。
将来の査定額だけで色を決める必要はありません。リセールを判断材料の一つにしながら、自分が気に入った色を選ぶことも車選びでは大切です。
まとめ|車の色と査定額について分かった4つのこと
ユーポスの実査定データを分析した結果、ボディカラーと査定額の関係について、特に次の4点が確認できました。
1.白・パール系と黒系は、やはり査定に強い
一般的に人気色とされる白・パール系、黒系は、実際の査定データでも強い傾向が確認されました。
2.白と黒の差は、多くのモデルでは小さい
白・パール系と黒系を比較できた45型式のうち、35型式では統計的に明確な差がありませんでした。一方、明確な差が確認された10型式では、すべて白・パール系が優勢でした。
3.大きな差が出やすいのは「人気色」と「それ以外」
プリウスやアクア、シエンタなどでは、モデルと色の組み合わせによって10%を超える査定差が確認され、20%を超えるケースもありました。
4.30万円以下でも、色の影響がなくなるわけではない
車両価値が低くなるにつれて色の影響は小さくなる傾向がありますが、「30万円以下なら色は関係ない」といえる明確な境界は確認できませんでした。
今回の調査で最も重要なポイント
ボディカラーによる査定差は、単純に「白だから高い」「赤だから安い」と決まるものではありません。「どの車種・どのモデルの何色か」まで見ることが重要です。
リセールを重視して車を選ぶのであれば、一般的な人気色ランキングだけでなく、そのモデルで実際にどの色が中古車市場で評価されているかを見ることが重要です。
調査・分析について
本記事は、株式会社ユーポスが保有する実際の車両査定データをもとに分析しています。
分析には契約金額ではなく、査定時点における「査定価格」を使用しています。契約金額には、商談条件、競合他社の提示価格、顧客との交渉など、車両そのものとは異なる要因が影響するためです。
また、単純に色別の平均査定価格を比較するのではなく、車種・型式ごとに分析し、年式、走行距離、グレード、車両評価、査定時期、駆動方式、燃料など、査定価格に影響する条件の違いを統計的に調整しています。
具体的には、査定価格の自然対数を目的変数とし、車齢(月数・二次項)、走行距離、グレード、評価点、査定年月、駆動方式、燃料などを説明変数とした重回帰分析を行い、ボディカラーによる査定差を算出しています。
記事内に記載する割合は、分析対象となった査定データから確認された平均的な傾向を示すものであり、特定のボディカラーによる査定価格の増減を保証するものではありません。
実際の査定価格は、装備、車両状態、市場相場などによって異なります。
データ提供・分析:株式会社ユーポス






