車を手放すときにはディーラーや中古車買い取り業者に売却するのが一般的ですが、車の買取価格は購入時よりも大きく下がります。
買取価格はさまざまな要素で決定されるものであり、買取業者はそれに利益分を乗せて次の顧客に販売しています。
この記事では車の買取価格の決まり方や、中古車としていくらで販売されるのかについてご紹介します。
このページの目次
車の買取価格はどのくらい下がるのか
車は生活の変化や新しい車への乗り換えなどによって手放すタイミングが来ますが、その車は買取業者に売却されます。
そして中古車として市場で再度販売されるのですが、売却時の買取価格は買取業者の査定によって決まります。
査定金額は買った時の金額より大幅に下がることが多いのですが、その下落率は年式によってある程度の相場があります。
買取価格の下落率はどのぐらい?
車の買取業者は査定時に新車から何年経過しているかを重視しており、年式が古くなればなるほど査定金額が低下します。
もしあなたが新車を購入した直後に売却したとしても、その買取金額は新車価格の1割〜2割程度は下落するもので、新車価格に近い金額で買い取られることは稀です。
およそ3年経過時点での下落率は4割〜5割といわれており、その後年数の経過と共にどんどん買取価格は下がります。
・3年経過:4割〜5割
・5年経過:3割〜4割
・7年経過:1割〜2割
・10年経過:1割以下
特に5年経過時点で買取金額は大きく低下する傾向があり、10年も経過すると値が付かない車も出ます。
買取価格を左右する要素とは?
車の買取価格に影響する要素には次のものがあり、買取業者はこれらで総合的に判断しています。
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判断要素 |
買取価格への影響 |
年式 |
新車からの経過年数 |
古いほど低下 |
走行距離 |
新車からの総走行距離 |
走行距離が多いほど低下 |
車種 |
車種ごとの買取相場 |
相場に応じた買取額設定 |
グレード、ボディカラー |
車の仕様や装備、ボディカラー |
人気グレードやカラーほど買取価格が高い |
車の状態 |
キズ、凹み、故障の有無 |
状態の良い車が買取価格が高い |
季節的要因 |
車の買取時期 |
中古車需要が多い時期ほど高い |
特に年式と走行距離による影響が大きく、車の経年劣化や故障リスクの目安として扱われます。
年式の影響は前述したとおりですが、走行距離に関しては1年1万キロを目安としており、それより走行距離の多い車は査定金額が下がる傾向にあります。
また車種には人気車種とそうでない車種が存在するため、中古車市場で需要の多い車ほど買取価格は高めになります。
加えて車のグレードやボディカラーでも違いがあり、新車では手の出しにくいフル装備グレードや、落ち着いたホワイト、グレー、ブラックなどのスタンダードカラーが人気です。
さらに車のキズや凹み、故障などクオリティに関するポイントも査定を下げる要因となりますが、きちんと修理してあれば査定に影響することは稀です。
最後の季節的要因は中古車需要の多い時期に売ると高めに買取されることが多く、時期の見極めも大事です。
中古車はどのように流通している?
次に中古車が元のユーザーから新たなユーザーに渡るまでの流通過程をご紹介します。
その流れが把握できれば中古車価格が決まる過程もわかってきます。
車の元のユーザーが売却したあとには複数の業者が関わってから中古車市場に並んでおり、買取から中古車販売までの流れは次の通りです。
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中古車の動き |
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① |
中古車買取 |
車が買取業者に売却される 一部はそのままディーラーの認定中古車、中古車販売店に並ぶ |
② |
中古車オークション |
中古車業者専門のオークションにかけられ取引される 落札するのは中古車販売業者がほとんど |
③ |
輸送 |
中古車買取店からオークションで落札した中古車販売業者まで輸送される |
④ |
点検整備 |
中古車販売店に車が到着する 販売できるように点検整備、部品交換などを行う |
⑤ |
中古車販売 |
中古車販売店の店頭に並び、次のユーザーに販売される。 |
中古車買取と販売を共に行っている業者だと輸送やオークション手数料が不要で費用を抑えられますが、その場合もすべての車が自社販売にはならず一部はオークションを通じて他の業者に流通します。
このほか①や②の時点で海外へ送られる場合もあり、日本では買い手のつきにくい車でも海外では引く手あまたです。
中古車販売価格の決まり方とは
ここまで中古車の買取から中古車販売店までの過程をご紹介しましたが、最終的に中古車販売店ではいくらぐらいで取引されているのでしょうか?
中古車販売価格は買取価格+20~25万円が相場
中古車の販売価格は買取時点の価格よりも上乗せして設定されていますが、その上乗せ額は+20~25万円が相場と言われています。
もちろん上乗せ額は中古車販売業者が自由に決められるためもっと高くできるのですが、あまり高いと市場競争で売りづらくなるため、ある程度の上乗せ額に落ち着いています。
ただし人気車種やプレミア価格の付くヴィンテージカーなどはこの限りではなく、新車価格以上の高額取引がされる中古車も存在します。
上乗せ分の内訳とは?
中古車販売業者が設定している上乗せ分はすべて業者の利益分だと思われがちですが、実はさまざまな経費が含まれています。
まず中古車の「原価」は中古車販売業者がオークションで落札した時点の価格であり、その中にはオークションに出品した買取業者の利益分が既に含まれています。
さらにオークションに関わる費用や、その後の輸送費用などがプラスされますので、買取業者に届くまでにも費用がかかります。
さらに中古車の整備費用や状態によっては修理費用も発生し、意外に中間費用が多いのです。
そして中古車販売店の利益分があるため、販売価格は原価にこれら上乗せ分が乗ったものとなります。
中古車販売価格 = 原価 +上乗せ分(オークション費用+輸送費用+整備費用+利益分)
中古車取引は回転率が命
中古車販売は100万円を超える高額商品を扱う業種ですが、利益率を上げるためには回転率こそ重要です。
中古車価格に反映される上乗せ分は20万円〜25万円といわれますが、各種費用を差し引くと車1台あたりの利益は10万円前後にまで下がることも。
そのため中古車取引は仕入れた車をすみやかに売却、そして新たな車を仕入れるという循環が重要で、この回転率こそ中古車販売業の命です。
また家具など他の中古品取引と違い、中古車には「年式」があるので在庫を残してしまうと価値がどんどん下がっていきます。
車は年式の古い車ほど価格が安くなりますので、販売店の駐車場に並べてあるだけでも日々価値が下がり続けます。
当然車を保管するスペースも有限ですし、日々の清掃や定期的な点検など管理費用もかかりますので、中古車の在庫は業者の悩みの種なのです。
こういった事情があるため、中古車販売業者は売りやすい価格や時期を重視しています。
中古車業者が必要な時期には高くなる
中古車の買取価格は年式や走行距離などで左右されますが、実は1年のうちで買取価格が高くなる時期もあります。
中古車は比較的安価に車を購入できることから、生活の変化に合わせて購入することが多いです。
そのため1年のうちで生活の変化が大きい時期には中古車需要が高まる傾向にあり、販売業者の狙いどころとなります。
中古車取引で重要な回転率をしっかり発揮できる時期なので、中古車業者はこの時期に合わせて在庫を増やしており、買取自体も強化されるのです。
買取強化キャンペーンとして査定金額のアップ、ギフト券の進呈、ボーナス分の上乗せなどさまざまな方法で買取価格がアップしますので、車を少しでも高く売りたいのであれば時期をしっかり見極めると良いのです。
1月~3月、7月~9月は買取価格が高くなる
では買取強化されるタイミングがいつかというと、ズバリ1月〜3月、7月〜9月の期間です。
この期間はそれぞれ3月末、9月末に向けた在庫確保の期間であり、中古車業者は1台でも多くの中古車を必要としています。
まず3月末は4月からの新生活に向けた準備時期であり、就職、転職、進学などに合わせて車が必要になる人が増加します。
そこで1月あたりから業者は中古車の買取を強化して状態の良い中古車を欲しており、売却するのに最適なタイミングとなります。
また9月末は多くの販売業者が決算時期を迎えており、決算に向けて1台でも多くの車を売りたい時期となります。
そこに向けて7月あたりから買取が強化されることが多くなります。
加えて7月は多くの企業でボーナス時期を迎えており、車の購入意欲や乗り換え需要が増加することもポイントです。
すぐに車を売らなければならない事情がなければ、できるだけこれらの時期に合わせて売却を検討することをおすすめします。
リセールバリューの高い車は業者にもメリットが大きい
中古車販売業者は回転率を高めるために需要の多い車種、人気の車種を必要としていますが、それを判断する一つの基準に「リセールバリュー」があります。
リセールバリューの考え方
リセールバリューとは車種ごとの中古車の販売価格について、新車価格からの下落率をパーセンテージで表した指標で、中古車の価値がどのぐらい残存しているかを見れます。
もし100万円の新車が中古車価格50万円で販売されていたら、リセールバリューは50%ということになります。
リセールバリューは新車から3年、5年経過時の価格を扱うことが多く、中古車市場での平均的な販売価格を元に新車価格からの下落率を計算しています。
一般的な車種のリセールバリューはおおよそ以下といわれており、車の価値が年々下落する目安になります。
・3年:50%〜60%
・5年:40%〜50%
・7年:20%〜30%
・10年:10%以下
特に注目すべきは5年目のところで、5年以上経過すると車の価値が大きく下がります。
人気車種、希少車種は高く買い取って高く販売される
リセールバリューは毎年中古車販売業者などがランキング形式で発表しているのですが、それを見るとリセールバリューの相場を大きく超える車があることがわかります。
まず驚くべきはリセールバリューが100%を超える中古車があることで、中古車なのに新車と変わらないかそれ以上の値段で取引される車となります。
普通は中古車として買い取りされた時点で価値は何十%も下がるのですが、リセールバリューが高い車種は値段が高くても需要があるのです。
リセールバリューが高くなる理由はさまざまですが、最近ではメーカーが想定した以上の人気が集中した結果、生産が追いつかずに納期が長期化し、中古車でもいいからすぐに手に入れたいという需要が見られます。
また希少価値のある車種も入手難易度からリセールバリューは高めとなり、中古車買取業者もこれらの車種はしっかり高額買取してくれます。
高く買い取ってもそれがすぐ売れるほど人気であれば、高い回転率を維持できるからです。
さらに近年は世界情勢から生産が需要に追いつかない車種が増えており、コンパクトカーやミニバン、SUV、軽自動車でもリセールバリューが90%以上の車が数多くあります。
もし高額買取が期待できる車種を探すのであれば、リセールバリューはとてもよい参考になるでしょう。
買取価格を高くするコツを紹介します
中古車の買取価格は相場や需要によって左右されますが、車のユーザーが売却前にできることもいろいろあります。
ここでは中古車の買取価格を少しでも高く出来るコツをご紹介します。
直近の買取価格相場を確認しよう
まず自分の車を売ろうと思った時には、現在の買取価格がいくらぐらいなのかを確認しましょう。
車の買取価格や相場はWeb上に多くの情報があり、車種ごとの価格情報を収集するサイトや、中古車販売業者のWebページなどに直近の価格が掲載されています。
自分の車の年式や走行距離などに照らし合わせることで、おおよその買取価格は予想が付きます。
実際には車の状態やキズ、故障の有無などで価格は上下しますが、不当に安い値段で買い取られることを防ぐために相場観を把握することは重要です。
また最近はWeb上から車の買取査定を行えるサービスが多く展開されており、簡単な情報を入力するだけですぐにでも買取価格が確認できるようになりました。
買取専門サービスのユーポスでもWeb上での無料査定を実施しており、メーカーや車種、年式を入力するだけで僅かな時間で結果が出ます。
非常にお手軽なので、いくらで売れるのか気になったら一度利用してみると良いでしょう。
年式、走行距離が”5”を超えないうちに売る
中古車の査定価格は年式と走行距離によって大きく影響を受けますが、この2つが一定を超えると査定金額がガクッと下がります。
そのラインはどちらも”5”がキーワードです。
まず年式ですが、前述したリセールバリューを見てもわかるとおり5年経過時点で中古車価格が大きく下がります。
年式は車の劣化具合を表しますが、5年以上経過すると少しずつトラブルが増えていきますので買取価格が下がる傾向にあります。
そのため年式5年を超えないうちに手放すことで買取価格の高いうちに売れるのです。
また走行距離に関しては50000kmが一つのラインになっており、これも走行過多による劣化を見越したものです。
50000kmまで走行していても故障が多発することはないのですが、やはり少しずつトラブルが出始めるため中古車価格にも影響します。
走行距離は日々の使い方でだいぶ増減に差がありますが、大台に乗らないうちに売ると有利です。
走行距離が年10000kmだとほぼ同時期にこのラインになりますので、売却を計画的に行うこともできます。
日々の清掃、点検整備を行って良い状態に保とう
中古車の査定には年式や走行距離などが重視されますが、意外と車をキレイに保っているかどうかも審査されます。
これは車がそれまで良い状態で乗られていたかを見られており、例えば外観や車内をキレイに洗車、清掃してあるだけでも査定時に与える印象が良くなります。
また点検や整備が定期的に行われていると車のトラブルも少なくなるので、この点も査定金額をアップさせるポイントです。
ちょっとしたことで買取金額が増えるなら日々の清掃も楽しくなりますよね。
できるだけ純正仕様をキープしよう
車の売却を考えたときには車は可能な限りメーカー純正の仕様をキープしたほうがよく、カスタマイズは査定金額を下げる原因です。
車のカスタマイズはユーザーにとってはデザインをカッコよくしたり、パワフルに仕上げて自分好みの1台を作れる点が面白いです。
しかし他人から見ると必ずしも良い印象を持たれるわけではなく、人によって好みがかなり分かれるものです。
そのため中古車として市場で販売する際にカスタムがされていると売りづらいという事情があり、中古車買取時にはノンカスタムが好まれます。
一番良いのは一度もカスタムせずに純正仕様のままですが、多少室内に便利アイテムを設置したりする程度なら純正仕様に戻しやすいので影響は少ないです。
ですがカスタムしたあとに純正に戻せない状態では買取価格はどうしても下がってしまいますので、もしカスタムをする場合でも純正に戻せる方法を取りましょう。
また純正部品もしっかり手元に残しておくと良いです。
売却時期をしっかり見極めよう
車の買取査定額は時期で影響を受ける点は前述しましたが、季節的な要因の他にモデルチェンジの時期にも影響を受けます。
モデルチェンジは車の仕様が大きく変わるタイミングで、フルモデルチェンジはすべて変更して新モデルになります。
マイナーチェンジは同じモデルながら各所がアップデートされて性能が向上し、デザインやカラーも変更されます。
モデルチェンジによって車の買い替え需要が多くなり、その分中古車市場に旧モデルが並ぶため中古車買取価格が下がるのです。
そのためモデルチェンジの直後に売却するのは不利で、モデルチェンジ前に売り切るほうが良いです。
モデルチェンジ時期の情報はある程度Web上にもありますし、ディーラーと話しても教えてくれる場合があるので、売却を検討した時に調べてみると良いでしょう。
まとめ
中古車の取引は売却したユーザーからいくつかの業者を介して中古車市場に並びますが、その間にかかる業者の費用を考慮して買取価格が決まっています。
その過程や買取金額が決まる要素を把握していれば、自分の車を高く売るための方法も理解できます。
もしあなたができるだけ高く車を売りたいのであれば、この記事を参考にその方法や売却時期を把握しましょう。
車の買取を専門にするユーポスでは、中古車流通、販売に関わる費用を削減することで買取金額のアップに取り組んでいます。
買取専門だからこそできる高額買取ができますので、きっとご満足頂ける金額をご提示できるでしょう。
車の売却を検討されている方はぜひ一度ご連絡ください。