
車のエンジンがかからないときの対処法とは?症状や原因についても詳しく解説
最近の車は性能が高くなっており、キーを回せばすぐに始動する車がほとんどです。
しかし、車に長年乗っていると突然エンジンがかからなくなる場合があり、その症状は多岐にわたります。
この記事では車のエンジンがかからない場合の対処法、症状、原因を詳しくご説明します。
このページの目次
エンジンがかからない!まずは症状を見極めよう
車を日常的に通勤や通学、買い物などの家事に活用している人は多いですが、ある日突然エンジンがかからなくなってしまうことがあるかもしれません。
とっさに「故障?!」と思うかもしれませんが、エンジンがかからない症状にはさまざまな原因があります。
まずは原因を推定するために、現在の症状を見極めるところから始めましょう。
主な症状としては次の5つが考えられますので、このうちどれに当てはまるか確認してみてください。
①キーが回らない
まず1つ目は、エンジンをかけようとしてキーを回そうとしても、物理的に回らない場合です。
車のキーは鍵穴に差し込んで軽く回せばエンジンがかかるものですが、それがいくら強く回しても回らないことがあります。
あまり強い力で回してしまうとキー自体を壊してしまうことになりますので、この症状の際はキーを無理に回さずに原因を探しましょう。
②キーを回しても反応がない
2つ目は、キーは物理的に回るのですが、エンジンはかからないどころか何も反応がない場合です。
通常、キーを回してエンジンをかける際には始動音や振動のような何かしらの反応があるのですが、そういったものがない状態です。
試しに何回かキーを回してみて反応を見てもよいですが、ほとんどの場合勝手に正常化することはありません。
故障の可能性ももちろんありますが、ほかにも原因として確認できる箇所はいくつかあります。
③キーを回して始動音はするがエンジンがかからない
3つ目の症状はキーを回して「キュルキュル」のような始動音が聞こえるのですが、何度試してもエンジンがかからない場合です。
この症状の場合も何度か始動を試してみてもよく、軽度な症状ならエンジンがかかることはあります。
ですが、何度も試すと②の症状に陥ってしまうことがあるので、数回試してダメだったら別の原因を探して対処しましょう。
④パワー(スタート)スイッチを押してもエンジンがかからない
近年の車はエンジン始動がキーではなくスイッチに変わっており、パワー(スタート)スイッチを押すことでエンジンが自動的に始動します。
ですが、スイッチを押してもエンジンがかからない症状が発生することがあります。
車種によってパワーやスタートなど名称は変わりますが、始動状態になるとスイッチのランプが点灯します。
その状態でスイッチを押せば通常はエンジンがかかるのですが、もしランプが点滅に変わって始動しないような状態だと、問題が発生しています。
また、③の症状と同じくスイッチを押して始動音がしても、エンジンがかからない場合もあります。
この症状の場合は複数の原因から絞り込みが必要です。
⑤エンジンがかかった後に異音、異常振動がある
5つ目の症状は、エンジン自体はかかるものの、その後に異音や異常振動が発生する場合です。
始動時の異音は少しずつ大きくなる場合もあれば、ある日突然異音が発生することもあります。また、異音とともに異常振動が発生することも多く、普段感じないような振動があるなら問題です。
ちょっと調子が悪い程度なら、と運転を続ける人もいらっしゃいますが、現代の車で調子の悪さで異音、異常振動が起こることは少ないです。
そのため、こういったトラブルは車に何か問題が発生している可能性が高く、故障も視野に入れておかなければなりません。
①キーが回らないときの原因とは
キーが物理的に回らない症状の場合には、2つの原因が考えられます。
まず一つは車の「ハンドルロック」がかかっている場合です。
ハンドルロックは防犯装置の一つで、車を駐車している際にハンドルの回転を防ぐ機能です。
ハンドルロックはキーが差さっていない状況でハンドルを回したときに機能するようになっており、エンジンを切った状態でハンドルをぐいっと回すだけでロックがかかります。
その状態ではハンドルが回せないだけでなく、キーを差し込んで回そうとしても動かないようになります。
ハンドルロックは、ハンドルとキーの回転を連動させることで、ハンドルを左右どちらかに軽く回しながらキーを回すことで解除されます。タイミングを合わせる必要があるので少しコツが必要ですが、何度かトライすればすぐ解除されるでしょう。
ですが、ハンドルロックが解除された状態でもキーが回らない場合は、キーシリンダーなどの故障が考えられるので、修理工場などで見てもらう必要があります。
②キーを回しても反応がないときの原因とは
キーを回しても何も反応がない場合には、3つの原因が考えられます。
バッテリーあがり
まず誰にも起こりがちなトラブルがバッテリーあがりで、車の電源であるバッテリーの充電がなくなる状態です。
車のエンジンは始動時や走行時に必ず電力が必要で、特に始動時には大きな電力を消費します。その電源用に、車には必ず12Vの補機バッテリー(ハイブリッド車などは駆動用バッテリーも併用)が搭載されています。
ですが、このバッテリーが完全に放電してしまっていると、エンジンに必要な電力が送れないためエンジンがかからないのです。
バッテリーあがりの原因もいくつか考えられますが、よくあるのは車の室内灯を消し忘れたまま長時間経過してバッテリーを消費することです。
そのほかにバッテリー自体の寿命によって、充放電の機能が損なわれた場合にも同様の状態になります。
対応方法としてはバッテリーの再充電や交換が必要なので、詳しくは後述します。
シフトレバーの位置が「P」、「N」以外になっている
これはAT(オートマチック車)で起こる事態ですが、シフトレバーが「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」以外になっていると始動しません。
この機能は安全装置の一つで、始動時に車が不意に発進しないようになっています。
AT車はクラッチがなく、エンジンが始動すると動いてしまう可能性があるため、車が動かないPやNにシフトが入っていないと始動しません。
普段から車に乗っている人は意識せずにこの操作を行っていますが、一度落ち着いてシフトレバー位置を確認してみましょう。
ブレーキペダル、クラッチペダルを踏んでいない
AT車ではブレーキペダル、MT(マニュアル)車ではクラッチペダルを踏まなければ、キーを回しても始動しないようになっています。これも安全装置の一つで、始動直後に車が簡単に発進しないためのものです。
AT車はシフトレバーの安全装置に加えてブレーキペダルの安全装置があり、ダブルで安全性を高めています。
ブレーキペダルの操作も普段は意識せずに操作していますが、こちらも落ち着いて一度確認しましょう。
また、MT車は国内では珍しくなっており、免許はあっても実際に乗る機会がない人も少なくないです。
昔のMT車はクラッチペダルを踏まなくても始動していましたが、最近のMT車は踏まなければエンジンがかからないよう安全性が高められています。
もし急にMT車に乗ることになって始動しないときは、しっかりクラッチペダルを踏んでみてください。
③始動音が聞こえるのにエンジンはかからない症状とは

この症状は始動するための動作はある程度しているものの、始動ができない場合です。
さまざまな原因が考えられますが、主に発生するのは次の4つです。
バッテリー電圧の低下
前述したバッテリーあがりは完全にバッテリーが機能しない状態ですが、その途中経過としてバッテリー電圧が低下します。その結果エンジン始動に必要な電力を供給できず、始動音こそすれどエンジンはかからないのです。
バッテリーは消耗すると電圧が低下し、供給できる電力が少しずつ低下します。
エンジンの始動に使うエンジンスターターは瞬時に大きな電力を必要とするため、電圧の低下したバッテリーでは満足に駆動しません。
何度も始動を試すとバッテリーはさらに消耗し、最終的にはバッテリーあがりの状態になります。
バッテリー電圧低下への対応はバッテリーあがりと同様なので、後ほど詳しくご説明します。
燃料切れ
始動音が聞こえるのにエンジンが始動しない2つ目の原因は、燃料切れが考えられます。
ガソリン車であればガソリン、ディーゼル車であれば軽油を燃料にしてエンジンは動きますが、その燃料が切れていれば始動しません。
通常は燃料警告灯が点灯してドライバーに燃料切れを警告するのですが、古い車だと燃料警告灯やセンサーが故障して、いつの間にか燃料切れになることも。
車外から燃料残量を確認するのはなかなか難しいですが、疑うべき一つの原因でしょう。
燃料切れへの対処も後ほど詳しく説明します。
エンジンスターターの故障
エンジンスターターはその名のとおりエンジンを始動させる部品ですが、意外と故障が起こりやすい箇所です。
エンジンスターターは、強力なモーターでエンジン始動に必要な強い力を発生させます。
エンジンは内部の重たい部品を動かさなければ始動しないので、エンジンスターターにかかる負担は大です。そのため、ほかのエンジン部品と比べるとエンジンスターターの故障率は比較的高く、古い車ほど発生しやすくなります。
エンジンスターターが故障すると始動音が聞こえたり聞こえなかったりしますが、そのほかにガラガラというような異音が発生することもあります。
エンジンスターター内部の破損によるものですが、車内から音を聞くだけでは判別できません。
エンジンスターターの故障は部品交換による修理が必要になりますが、現地では原因不明の場合が多いので、一度修理工場に持ち込むことを考えましょう。
ヒューズ切れ、電気系統の故障
4つ目は電気系統の故障で、ヒューズ切れや電気系統の断線などの要因があります。
電気系統といっても現代の車は非常に複雑で、始動音だけでは故障は分かりません。
特定のシステムに関する故障であれば対応する警告灯の点灯があり、例えばABSやバッテリー警告灯などが点灯していないか確認してみましょう。
ほかにもエンジン警告灯やハイブリッドシステム警告灯で問題があり、これらがエンジン始動に不具合を起こしている可能性があります。
また、電気系統にはヒューズが設けられており、万が一の場合にはヒューズが切れることで安全を確保します。
ヒューズはエンジンルームや車内にあるヒューズボックスに収まっており、知識がある方ならヒューズを確認して問題箇所を探すことも可能です。
ヒューズは自動車用品店などで購入できるので取り替えることで一時的に対処できますが、ヒューズが切れる原因となった問題は残ったままかもしれません。
もし電気系統の故障やヒューズ切れが気になる場合は、修理工場に持ち込んでチェックしてもらいましょう。
④パワースイッチを押してもかからない原因とは
パワー(スタート)スイッチを押しても始動しない場合は、ここまでご紹介したトラブルが原因かもしれません。
しかし、そのほかにパワースイッチ特有の原因がありますので、3つご紹介します。
スマートキーの電池切れ
まず1つ目はスマートキーの電池切れによる始動不良で、キーが正常に認識できないことが原因です。
スイッチ式のスターターは従来のキーが不要となるのですが、その代わり車の持ち主を認証するためにスマートキーが存在します。
正式なスマートキーが車内にあれば自動的に検出して認証し、そのままパワースイッチを押せばエンジンがかかります。ですが、スマートキーは電池で動作しており、電池切れになると認証ができなくなるのです。
その結果、車の持ち主を確認できず、いくらパワースイッチを押しても始動しません。
対処法としては電池交換がもっとも早く、コンビニなどで購入できる電池を入れ替えればすぐに始動できるようになるでしょう。
また、山などで電池交換が容易にできない場合の始動方法もありますので、こちらは後述します。
イモビライザーの誤作動
2つ目はイモビライザーの誤作動による始動不良で、こちらは車側の問題です。
イモビライザーは防犯装置の一つで、キーやスマートキーと車のコンピューターが通信することで所有者を認証するシステムです。
キーやスマートキーには車ごとに固有のIDが設定されており、それが車側のイモビライザーと合致したときのみエンジンが始動できます。
イモビライザーの故障はめったに起こりませんが、ごくまれに誤作動によるID認証不良や内部の配線の不具合などが起こり、エンジン始動ができない事態に陥ります。
イモビライザーの誤作動は外からは判断しづらく、ほかの始動不良要因が問題なければ原因の一つとして修理などを考えておきましょう。
またキー、スマートキー側の電池切れによる認証不良もありますが、こちらは電池交換で対処しましょう。
スマートキー電池切れの場合の始動方法
スマートキーの電池切れは市販の電池を交換すればすぐに対処できますが、コンビニなどが近くにない場合は一大事です。
山や遠隔地に出掛けたときに出先で電池が切れてしまうと、その場で立ち往生することになります。
そんなときは、車に備え付けの取扱説明書を参考に対処しましょう。多くの国産車には緊急措置が備わっており、パワースイッチの上にスマートキーを重ねることで通信が行われ、認証されます。
⑤エンジンはかかったが問題がある場合も
エンジン自体はかかったものの、その後に異音や異常振動が発生していると何か問題が起こっている可能性が高いです。
エンジン本体の故障、警告灯の点灯
エンジン始動後に発生する異音や異常振動はエンジンが原因のことが多く、普段発生しないようなものだと故障の可能性があります。
故障といっても音や振動だけでは原因が特定できませんが、エンジン警告灯が点灯しているかどうかは確認できます。
警告灯が点灯している場合にはディーラーや修理工場で原因を特定してもらう必要があり、もし車が自走可能ならそのまま持ち込むとよいでしょう。
ただし走り始めて異音、異常振動が大きくなるようであれば、無理に自走せずJAFなどに対処を依頼しましょう。
寒さが原因でエンジンが不安定
エンジンは正常な状態だと滑らかに動作しますが、冬季や寒冷地で始動したときには寒さが原因で不安定になりがちです。
特に一日のうち最初に始動するときは、エンジン内部のオイルや冷却水が冷えた状態になっており、始動直後もそれが原因で不安定になります。
その結果、異音や異常振動が多少出ることがありますが、ほとんどの場合は5~10分暖機運転をしてエンジンが温まれば、自然に解消します。
また、寒冷地ではバッテリーの電力も低下するため、バッテリーあがりには特に注意しましょう。
暖機運転をしたにもかかわらず異常が見られたら、ディーラーや修理工場でチェックしてもらいましょう。
エンジンがかからない場合の対処法
ここまでエンジンがかからない要因、原因を紹介してきましたが、そのうち特別な対処が必要なものを説明します。
バッテリーあがりの対処法
バッテリーあがりによってエンジンが始動しない場合、対処として以下の2つがあります。
・ジャンプスタート
・バッテリー交換
ジャンプスタートはほかの車のバッテリーと接続することで一時的に給電を行い、エンジン始動までつなげる方法です。
詳しくは別の記事で解説していますが、救援車とつなげるケーブルさえ用意できれば短時間でエンジンを始動できます。
一度エンジンがかかってしまえばその後はエンジンで発電が可能なので、バッテリーあがりの状態でも走行可能です。そのまま走行を続ければバッテリーが充電されますが、中途半端な距離でエンジンを切るとまた始動できなくなるので注意しましょう。
完全にバッテリーあがりを解消するためには、バッテリー交換が効果的です。
バッテリー交換はディーラー、修理工場以外にも、自動車用品店やガソリンスタンドなどでも可能なので、停車した近隣にこれらがあれば交換を試みてもよいでしょう。
燃料切れの対処法
燃料切れの場合にはガソリンなどを給油しなければなりませんが、自走できない車ではガソリンスタンドまでいけません。
その際は、ガソリン携行缶を利用してスタンドから車まで輸送する方法があります。
ガソリンはポリタンクなどでの輸送は禁止されており、専用の金属製携行缶が必要です。
これはガソリンスタンドなどで入手できますので、近くにスタンドがあれば徒歩で赴いてガソリンを補充し、車に給油するとよいでしょう。
走行不能のトラブルや故障の対処法
エンジンの始動不良やそのほかの異常で走行不能に陥った場合は、JAFなどに救援してもらうのが懸命です。
ここまで紹介してきた始動不良にはその場で対処できるものもありますが、原因不明で自走もできないこともあるでしょう。
特に出先では対処も難しくなるため、無理そうであればJAFなどに連絡して救援、レッカー移動などで対処してもらいましょう。
専門家なら、その場で対処できることもあります。
エンジンがかからない車でも買取は可能か?
エンジンの始動不良は各種対策や修理などを行えば多くは解消できますが、もし解消しない場合は売却も考えなければなりません。
車はどんなに動かないものでも所有している限りは税金が発生し、年々維持費がかさんでいきます。
また、始動不良の修理にも多額の費用がかかる場合は、その費用と売却費用を比較して対応を決めなければなりません。
ですが、エンジンが不動の場合は普通の中古車店などには売りにくく、また買取金額も下がりがちです。
中古車買取専門店のユーポスでは、不動車であっても可能な限りの高額買取を実施しており、買取専門店ならではの査定金額を提示できます。
また不動車の引き取りも行っていますので、エンジンが動かない車でもぜひ一度ご相談ください。
電気自動車が始動しない場合の原因は?
近年は、エンジンがなく電動モーターで走行する電気自動車が普及してきています。
当然エンジン始動不良はないのですが、その代わりモーターも同様な始動不良は発生します。その内容はエンジンの始動不良と同様のものが多く、次の項目は電気自動車でも確認してみましょう。
・シフトレバーポジション
・ブレーキペダルを踏んでいない
・スマートキー、イモビライザーの問題
また電気自動車でも補機バッテリーあがりは起こりますが、その際はエンジン車同様にジャンプスタートによる救援が可能です。
ただし、電気自動車およびハイブリッド車側を救援車にすることはできませんので、注意しましょう。
まとめ
車のエンジンがかからないと移動できないばかりか、出先で立ち往生してしまうと即座に対処が求められる場合があります。
そんなときには、この記事を参考に症状から原因を判断、対処してみてください。
それでも解消しない場合はJAFなどに救援を頼みましょう。
また、エンジン不動車でも買取可能なユーポスの買取サービスもご検討ください。
エンジン、そのほかの原因で不動になった車の買取も積極的に行っており、Web上での無料査定のほか、電話での相談も受け付けています。
不動車でお困りの方はぜひ一度ご連絡ください。






