車は公道で走行するために車検が必須ですが、更新を忘れていたり、長期保管によって「車検切れ」になっていたりするケースも少なくありません。

「車検が切れた車は売れないのでは？」と不安に思う方もいるかもしれませんが、実は問題なく売却可能です。

本記事では、車検切れの車をスムーズかつ有利に売却する方法について解説します。

 

買取時に車検がなくてもいいの？

車検とは「自動車検査登録制度」の略称で、車が公道走行可能なように登録する制度です。

車検に合格した車にはナンバープレートがつきますが、プレートがついていても車検自体が期限切れになることがあります。

車検は自家用乗用車の場合、新車時点で3年、その後の継続検査では2年が有効期限となっており、期限切れになる前に再度車検を受けます。

しかし、一度車検が期限切れになると、その時点で公道走行は不可となります。

もう一度車検に合格すればまた走行できるようになりますが、もしその時点で車が不要であれば、売却してしまいたいところです。

 

車検切れでも売却できる理由

車検は車が公道走行するために必須ですが、車の販売や売却に直接関係はありません。

車の売却に「車検証」は必要とされますが、これは車検の有無ではなく車の所有者確認のためです。

一度車検を通してあれば、車の現在の所有者が登録されるため、車検証に記載されます。

そして売却の際は、所有権を次のユーザー（この場合は売却先の業者）に移す手続きのために、車検証の記載情報を活用します。

たとえ期限が切れた車検証であっても登録情報の確認はできますので、期限切れの車検証でも大事に保管しましょう。

 

買取に車検ありが有利なのはなぜ？

車検の有無は売却自体には関係ありませんが、売却時の査定には多少有利な場合があります。

これは中古車の販売時に「車検あり」のほうが人気があるためです。車検の有無で査定額が大幅に変動するわけではありませんが、買取価格が多少でも高いとうれしいものです。

なお車検の残り期間が多ければより有利になります。

また、車検が残っていれば車を自走して移動させられるので、買取業者が扱いやすいというメリットもあります。

 

わざわざ再取得はもったいない？

買取査定に車検が残っているほうが有利なのは確かですが、だからといって車検を再取得するのはもったいないです。

車検の再取得自体は行おうと思えば数日でも可能ですが、それよりも問題は費用です。

車検費用は最低でも8万～10万円前後は必要ですし、車検で不合格だった場合は再調整などで追加の費用がかかります。また、車検取得を業者に依頼すると代行料なども発生します。

これに対して、車検の有無が買取額に影響するのはせいぜい数万円です。

車検の取得費用を回収できるほどの査定額アップは見込めませんので、再取得するよりは車検切れのまま売却したほうがお得です。

 

車検切れの車はどこで買い取ってくれる？

 

車検切れの車は、次のようないろいろな業者に売却できます。

 

ディーラー

ディーラーは新車販売が主ですが、中古車買取も実施しており車検切れの車も売却できます。

ディーラーと同じメーカーの車のほうが買取には有利ですが、別メーカーの車も売却可能です。

また、新車販売時に古い車を売却する「下取り」についても、車検切れでも問題ありません。

 

中古車販売店

中古車販売店は車の売却先としては一般的で、当然車検切れでも売却できます。

また、乗り換えのために中古車購入するのであれば、こちらも下取りとして売却も可能です。

 

自動車解体業者

自動車解体業者は車の解体をメインにしている業種で、解体した車から部品を外して売却したり、スクラップにしたりして利益を得ています。

基本的にはどんな状態の車でも買取している業者ですので、車検切れの車も可能です。

また、こういった業者は不動車の取り扱いに慣れており、車検切れで公道走行できない車の移動に関してもお任せできます。

業者によっては引き取り無料などのサービスもあるでしょう。

ただし車の解体が前提となるので、売った後とはいえ車がなくなってしまうのが気になる方は注意しましょう。

 

自動車輸出業者

自動車輸出業者は日本車を海外に輸出、販売している業者です。

国内では車の買取を実施しており、多少状態の悪い車でも引き取ってくれます。

海外では日本車の評価が非常に高く、国内では古い場合や過走行車であっても、海外に送れば価値が上がります。

また海外に送るため車検の有無も問題になりませんので、積極的に買い取ってくれるでしょう。

 

車買取専門店

車買取専門店は、車の販売は行わず買取を専門としている業者で、買い取った車は別の中古車販売業者などと取引されます。

車買取専門店は車の状態に関わらず買取している業者が多く、車検切れの状態でも問題なく売却できるでしょう。

また車検切れで自走できなくても、車の引き取りサービスをしている場合があるので、自宅に車を置いたままで取引ができます。

車買取専門店のユーポスでは、車検切れの車や不動車の買取も積極的に行っています。

車の買取査定や引き取りを出張で行っていますので、自宅から動かせない車の買取もお任せください。

車検切れの車の買取をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

車検切れの車の売却手順は？

車検切れの車を売却する場合、車検ありの車とは多少手順が変わってきます。

大まかな手順は次の6つになります。

 

①買取先の選定

まずは車の買取先の選定ですが、車検切れの車で店舗に行くわけにはいかないので、電話やメールなどでの連絡が基本となります。

近所のディーラーや中古車販売店、買取専門業者が第一候補です。連絡する際に必ず車検切れであることを伝えましょう。

車検切れであることを伝えれば、その店が買取に対応しているかどうか確認でき、その後の流れもスムーズです。

 

②出張査定

次は車の買取金額の査定を受けるのですが、自走できる車なら業者の店舗に移動させて直接査定ができます。

しかし、車検切れではそうもいかないので、出張査定を利用しましょう。

出張査定は買取業者がユーザーの自宅や駐車場に赴いて査定をする方法です。すべての買取業者が対応しているわけではありませんが、車検切れの車の買取をしているなら可能でしょう。

電話やメールで出張査定についても相談し、住所や都合のよい日取りを伝えます。

その後出張査定が行われますが、この時点ではまだ売却が決まっていません。査定金額に満足できれば次のステップに移りましょう。

なお、出張査定には多少の費用がかかる場合があります。

 

③必要書類の用意

査定金額に合意すると契約が結ばれ、実際の売却手続きに移ります。

この段階で車を実際に引き渡すわけではなく、次は売却に必要な書類を用意します。

普通車の場合に必要な書類は次のとおりで、特に印鑑証明書の入手には多少時間がかかります。

スムーズに売却を進めたいならあらかじめ用意しておいてもよいですが、印鑑証明書には発行から3カ月以内などの有効期限が設けられている場合が多いので、気を付けましょう。

 

①自動車検査証（車検証）

②自賠責保険証明書

③自動車リサイクル券

④自動車税納税証明書

⑤実印・印鑑登録証明書

⑥委任状・譲渡証明書

一方で、軽自動車の場合は用意する書類が少なく、売却に実印が不要になったので印鑑証明の取得も不要です。

①自動車検査証（車検証）

②自賠責保険証明書

③自動車リサイクル券

④軽自動車税納税証明書

⑤申請依頼書（買取店が用意する場合が大半です）

なお車買取における必要書類は別の記事で詳しく解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。

※必要があれば売却書類の記事に誘導してください。

 

④引き取り方法、引き取り日の設定

次に車の引き取り方法と引き取り日を買取業者と合意しましょう。

車検切れの車を売却する場合は、車を自走以外の方法で移動させなくてはならず、ここはもっとも調整に手間がかかる部分です。

多くの買取店では引き取りサービスを行っていますが、費用が無料か有料か、事前に確認しておくと安心です。

 

⑤車の引き渡し

車の輸送方法と引き取り日が決まり、書類も準備できたら実際に車の引き渡しに移ります。

可能であれば買取先の店舗に赴いて手続きするほうが安心ですが、車検切れの車では移動できないため、難しい場合もあります。

その際は、出張買取サービスなどを使えば、自宅で契約まで行えるため便利です。

車の輸送が完了したら売却手続きは完了です。最後に買取代金を受け取りましょう。

 

⑥買取代金の受け取り

買取代金の受け取りは銀行振込が基本であり、契約時に振込先口座を伝えることで受け取れます。

車を送った即日で振り込まれることは少なく、数日～1週間程度が目安です。

また、一部現金決済ができる買取業者もありますが、高額商品のためあまり対応していることはありません。

 

公道走行できない車の移動方法とは

 

車検切れで公道走行できない車は、次のような方法で買取業者に引き渡しましょう。

 

①出張引き取り

出張引き取りは、買取業者が自前のトラック（キャリアカー）に積載し、自ら車の輸送を行う方法です。

車検切れでも車が自走できればスムーズにキャリアカーに載せられますし、不動車でもウインチなどを利用して積載されます。

有料の場合もありますが、最近では無料引き取りを行っている業者も増えています。

また、出張引き取りと出張買取を同じタイミングで行う業者もあり、あらかじめ書類を用意しておくことでその後の手続きが一度で済みます。

この場合は車の引き取りに合わせて書類の引き渡しや契約の手続きも行い、スムーズな取引ができます。

 

②陸送

陸送は、車の輸送を専門にする業者に依頼することです。自宅から買取業者の店舗までの輸送を一括して任せられます。

陸送業者は全国に数多く存在しており、近距離から遠距離まで対応しています。

陸送にはキャリアカーが使用され、費用は距離によって変動します。近距離であれば2万～3万円、遠隔地になると10万円前後になることもあります。

陸送を使う場合、買取金額の一部が輸送費用として持っていかれるので要注意です。

 

③仮ナンバーの取得

車検切れの状態では公道走行はできませんが、「仮ナンバー」を取得すれば一時的に走行が許可されます。

仮ナンバーは車検切れの車や新規登録したい車を移動させるために使用するもので、車の輸送に利用できます。

仮ナンバーは期間限定のナンバープレートで、申請は走行区間のある市区町村役場で行います。

申請後は必要最小限の日数（最大5日間）の有効期間が認められますが、市区町村ごとに対応が異なる場合がありますので注意してください。

仮ナンバーの取得は次の流れで行います。

 

・自賠責保険への加入

・車検証などの車体確認書類や本人確認書類など、必要書類の準備

・市区町村役場への申請

・仮ナンバーの発行

 

有効期限が短いので、車の引き取り日が決まってから取得するようにしましょう。

 

車検切れの状態で売却する際の注意点は？

最後に車検切れの車を売却する際の注意点をご紹介します。

 

【買取前にはきれいに清掃しておく】

車を売却する際の基本ではありますが、車の内外装をきれいに清掃すると査定の際によい印象を与えられます。

せっかく売るのであれば、しっかり清掃して気持ちよく送り出しましょう。

車の買取査定は業者側の印象も重要で、汚い車よりはきれいな車のほうがマイナスは少なくなります。

また、車検切れのままずっと保管されていると清掃は行き届きにくく、どうしても汚れが蓄積します。

出張査定の前に清掃が終わるように調整しましょう。

 

【絶対に公道走行を行わない】

車検切れの状態では走行できるのは、敷地内などに限られます。道路の向かい側の店舗に移動するだけでも、車検切れでは許されません。

車検切れの車を公道走行させると道路交通法違反となり、違反点数6点（免許停止）と、6カ月以下の懲役または30万以下の罰金が課せられます。

また自賠責保険切れにも罰則があるため、車検切れはもちろん仮ナンバーでの走行時も注意しましょう。

 

まとめ

車検が切れてしまった車でも、再取得して費用をかけるより、そのまま売却したほうが結果的にお得になるケースがほとんどです。

多くの買取店は車検切れ車の扱いに慣れており、出張査定や引き取りサービスも充実しています。

「動かせないから」と放置せず、まずは査定を依頼してみることをおすすめします。

車買取専門店のユーポスでは、買取専門店のメリットを生かした高額買取を実施しています。

車検切れの車や不動車も買い取りしており、出張査定、出張買取にも対応しています。

車検切れの車でお困りの方は、ぜひ一度ユーポスにご相談ください。