亡くなったら?引っ越したら?結婚したら?自動車の書類と手続きの対応方法
亡くなったら?引っ越したら?結婚したら?自動車の書類と手続きの対応方法
自動車の売却による所有者の変更や廃車など、書類の記載事項が変更となるケースはいくつかあり、
その度に法律で定められた手続きが必要です。主な手続きには、「車検」「移転登録(名義変更)」
「一時・永久抹消登録(廃車手続き)」「氏名(住所)変更」「記載事項変更」「車検証の再発行」などがあります。
どれも法令に則った手続きとなるため、厳格な基準や提出書類が定められているのです。
今回は、これらの手続きの中でも少々イレギュラーなケースについて、必要となる書類や手続き方法を解説していきます。
■自動車の所有者が亡くなった場合、書類はどうするべき?
万が一自動車の所有者が亡くなってしまった場合に考えられる手続きとしては、「移転登録(名義変更)」
「一時・永久抹消登録(廃車手続き)」が考えられます。必要となる手続きは通常時と同じですが、書類には大きな違いがあります。
自動車は故人の財産とみなされるため、相続が必要です。そのため、個々のケースにより必要な書類が増減する場合もあります。
ここでは、故人の自動車を家族が相続したと仮定します。また、売却等による移転登録の場合、
相続人への移転のための書類が揃っていれば、別の第三者への移転(もちろんこの方の通常の書類が必要)も同時に行うことが可能です。
(★印は通常の手続きと異なるイレギュラーな場合に必要となる書類です。)
・車検証
車内に携行しておくことが法令により義務付けられているので、特別に準備する必要はないはずです。
★遺産分割協議書
遺産分割協議を行い、亡くなった方の財産を相続人で分配したことを証明する書面です。
★戸籍謄本もしくは除籍謄本
戸籍謄本は、氏名や生年月日、死亡年月日、婚姻・離婚歴、続柄などが記載された書面です。
旧所有者が除籍されている戸籍謄本または、除籍謄本が必要となります。
・委任状
陸運支局での登録手続きに新所有者が同席できない場合に作成し、受任者に渡します。
印鑑証明書から住所氏名を書き写し、実印を押印します。フォーマットは任意ですので、
インターネット上からダウンロードして使用することも可能です。
・譲渡証明書
通常の移転登録では必要となりますが、今回の場合は不要です。
・印鑑証明書
誰が手続きを実施するかにかかわらず、新所有者の印鑑証明書が必要となります。
・車庫証明書
新使用者が自動車の保管場所を確保できていることを証明するために必要です。
地域を管轄する警察署でフォーマットをもらい、必要事項を記入して申請することで発行されます。
なお、発行には審査が必要で、おおよそ中3営業日程度かかります。
複数人で同時に相続する場合には、所有者を複数人にすることも可能です。
その場合は、全員の委任状と印鑑証明が必要となります。また、使用者については代表者を一人決める必要があります。
■自動車購入後にたくさん引っ越しをしてる人は書類に要注意!?
所有者が亡くなった場合ほどではないものの、自動車を購入後に複数回引っ越しをしている人が
自動車を売却する場合は注意が必要です。車検証上の住所と印鑑証明書上の住所のつながりを証明するために
、以下の書類を追加しなければいけません。
・住民票または戸籍の附票
住民票には、現住所に加えて前住所の欄もあり、引っ越し前の住所が記載されています。
引っ越しが一度だけの場合は住民票さえあれば、新旧住所を紐づけることが可能です。
引っ越しが二度以上の場合は、戸籍の附票が必要となります。戸籍の附票には、本籍地移動後すべての住民票記載の住所が記録されています。
■入籍前の女性必見!名義はどうすればいい?
結婚(離婚)などによって自動車の所有者、もしくは使用者の氏名が変わる場合には、
車検証上の住所(使用の本拠)を管轄する運輸支局で、「氏名(住所)変更」もしくは「記載事項変更」の手続きを行う必要があります。
《事前に準備が必要な書類》
・車検証
・戸籍謄本
※車検証記載の氏名から、現在の氏名への変更が記載された戸籍謄本が必要となります(住民票でも可)
・委任状
※車の所有者本人が手続きを行う場合は不要です。所有者と使用者が異なるケースで所有者が手続きに同席しない場合や、
業者に委託する場合に必要となります
・印鑑証明書
※誰が手続きを実施するかにかかわらず、所有者の印鑑証明書が必要となります
また、同時に住所変更も実施する場合には、上記に加えて新住所での車庫証明も必要です。
《当日の手続き》
所有者の氏名を変更するためには、「氏名変更」の手続きをしなければなりません。
当日は窓口の案内に従って、申請書類(手数料納付書、自動車税・自動車取得税申告書、申請書(第1号様式))を作成し、
手続きを行っていきます。運輸支局に自動車で行く必要はありません。
ただし、合わせて「住所変更」も実施する場合で管轄の運輸支局が変わる場合には、
ナンバープレートも変更となるため自動車に乗って行く必要があります。
また、所有者と使用者が異なり使用者の氏名のみを変更する場合には、より簡易な「記載事項変更」手続きでよく、手数料が無料となります。
自動車の手続きの中でもイレギュラーなものについてご紹介しました。
どの手続きも一見すると日常生活にはあまり関係なさそうですが、一生のうちに一度くらいは発生する可能性がありそうなものです。
いざというときのためにも、こういう手続きが存在しているということを頭の片隅で認識しておいて損はないでしょう。