
ローンが残っている車って売却できるの?手続き方法からローン残債の取り扱いについても紹介
車の購入には高額の費用が必要なため、ローンによる分割払いで長年かけて支払う方法が一般的です。
しかし、ローン期間中でもさまざまな事情によって手放さなければならなくなったとき、ローンが残っているのに売却することは可能なのでしょうか?
この記事ではローンが残っている車の売却方法や、ローン残債の取り扱いについてもご説明します。
ローンが残っている車の所有者は誰?
車は新車では数百万円、中古車でも100万~200万円台のものがほとんどで、一般的な買い物と比べて非常に高額です。
そのため、自動車向けローンを組んで、分割払いにて月数千~数万円で何年もかけて返済するのが一般的となっています。
しかし、さまざまな事情や生活の変化によって、ローンの途中で車が不要になってしまった場合、所有し続けると維持費がかかるので、すぐにでも売却したいものです。
ですが、ローンの期間中は車の購入者が自由に売却できるわけではなく、ある手続きが必要です。
ローン期間中の車の所有者は自分じゃない?
ローンの期間中であっても自由に車を運転できていますが、実はその車の所有者は自分ではありません。
ローンは銀行や信用金庫などが展開するオートローンやマイカーローンを利用しますが、その際の購入資金は銀行などから借りている状態です。
つまり、ローン期間中は借金を少しずつ返済しているわけですが、その借金の担保は購入した車自体にあります。
そのため、ローン期間中の車の所有権はローンを請け負った銀行や信用金庫にあり、購入者はあくまで「使用者」という立場です。
また、次のようなパターンではローンの契約者と使用者が違うことがありますが、その場合でもローン期間中の所有権はローン会社にあるのが一般的です。
- ・契約者:親 使用者:18歳の子ども
- ・契約者:成人済みの子ども 使用者:親
- ・契約者、使用者が夫婦で別
現在の車の所有者、使用者は車に備え付けの車検証にも記載されており、所有者が自分以外の名義であれば、所有権は使用者にはありません。
通常のローンと残価設定クレジットの違いとは
近年ローンの一形態として「残価設定クレジット(もしくは残価設定ローン)」という支払い方法がありますが、通常のローンと若干支払い形態が異なる制度です。
残価設定クレジットは、車の購入金額から数年後に想定される下取り金額を、あらかじめマイナスした状態で分割払いを行う方法です。
残価設定クレジットの期間は3年もしくは5年が一般的ですが、この年数が経過したら車は販売元に返却されます。
つまり、ローンを完済しても所有権が自分にならないのですが、その分元本も少なくなっていますので、月々の支払いが楽になります。
車の売却を考えた場合、残価設定クレジットではたとえローンを完済して契約期間を満了しても、その後に車は返却されるため売却ができません。
しかし、売却するための方法はあります。
ローン期間中に車を売るための方法
ローン期間がまだ残っている車を売却するためには、ローンの残債を一度精算しなければなりません。
精算を行えば車の所有権を購入者(使用者)に移すことができるので、晴れて売却可能な状態になります。
また残価設定クレジットの場合には、契約完了後に2つの方法を選べるようになっており、その車を契約どおり返却するか、残額を支払って車を買い取るか選べます。
ここで車の買い取りを選択すれば、車の所有権が購入者に移りますので、その後は売却可能です。
ローンが残った車の売却方法
ローンの残った車の売却には段階があり、次のような方法となります。
①ローンの返済方法を決めて支払いを行う
第一段階はローンの残債を支払うことですが、残り期間によって残金はかなり高額になります。
自動車ローンの返済期間は通常3~10年の間で決められますが、多くは5~7年程度になります。
その間、毎月の支払いに加えて年数回のボーナス払いが組み込まれていることが多く、年額で何十万円も支払いをしています。
その期間中にローンを完済するとなると、何百万円かを一括返済しなければなりませんが、次のような返済方法を利用すれば負担を減らしつつ返済できるでしょう。
(これらの返済方法は後ほど詳しく説明します)
- ・車の売却益を充てる
- ・別のローンへの借り換え
これらの方法でローンを返済して契約を完了することで、次の名義変更に移れます。
②車の名義変更を行う
ローンを完済した後は車の名義変更を行います。
ローンを通常の契約期間で完済した場合も同じですが、完済後は車の所有権を銀行や信用金庫から車の使用者に移行します。
ローン完済後に借入先に連絡を行い、「所有権解除」手続きの依頼を行いましょう。
手続きには必要書類の用意と、陸運支局での名義変更を行います。
必要書類は普通車と軽自動車で異なり、それぞれ次のものが必要です。
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必要書類 |
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普通車 |
使用者が用意するもの |
自動車検査証(車検証) |
自動車税納税証明書 |
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印鑑証明書・実印 |
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完済証明書 |
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所有権解除依頼書 |
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自動車保管場所証明書(車庫証明書) |
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ローン会社(元の所有者)から送られてくるもの |
譲渡証明書 |
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ローン会社の印鑑証明書 |
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委任状 |
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軽自動車 |
使用者が用意するもの |
自動車検査証(車検証) |
住民票もしくは印鑑証明書 |
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ローン会社(元の所有者)から送られてくるもの |
申請依頼書 |
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所有者承諾書 |
書類がそろったら普通車の場合は陸運支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会にて手続きを行います。
そのほかの申請書などはその場で記入できます。
③通常の売却手続きを行う
車の所有者が使用者に戻ったら、ようやく車の売却手続きに移れます。
車の買取はディーラーでの下取りや中古車販売店、中古車買い取り店などが行っており、その際に車検証を確認されます。
もし車検証上で所有者と使用者が違う場合には、基本的に売却できませんので、確実に手続きが完了しているかどうかは車検証で事前に確認しておきましょう。
あとは、買取査定を行って買取金額を確認し、満足いく金額であれば売却契約を進めましょう。
また、ローンが完済されていればそのまま車を所有し続けても大丈夫なので、売却金額が期待外れでも、ゆっくり買い取り先を決めるとよいでしょう。
ローン残債の支払い方法
ローン残債の支払い方法はいくつかありますが、できるだけ負担の少ない方法がオススメです。
残金の一括支払い
もっともシンプルな支払い方法は残金の一括支払いで、残債を一気に精算できるので後に影響しません。
一括払いが終了すれば、即座に所有権解除に移れますので、スピーディに手続きが進むでしょう。
ただしローンの残り期間によっては、一気に100万円単位の支払いが発生しますので、経済的に可能なときに使える方法です。
別のローンへの借り換えを行う
自動車ローンの残債を別のローンに変更する借り換えは現実的な方法で、車の所有権を自分に戻しながら、残金はまた別の分割払いで返済します。
ローンの借り換えは銀行などで一般的に行われている方法で、もともとのローンの残債をローン会社が引き受けてから、その金額で新たなローンを組みます。
この方法だと、車自体はローンの担保から外れますので、所有権の移動が可能となり売却できる状態になります。
新たなローンについては違う金利と支払期間が設定できますので、条件によっては支払総額が多少減ることも。
うまく活用すれば、出費を抑えながら車の売却もできる方法となっています。
買い取り額が高ければそのまま返済へ
もし、売却を考えている車の買取額がローン残債を上回っていた場合は、そのまま返済に充てるのがおすすめです。
車の買取金額の査定はローンの残った状態でも可能ですので、まずは無料の買取査定を受けて、金額を確認しましょう。
その上でローン残債の返済プランを考えますが、売却益でローンを完済できるのであれば、一括返済を行いましょう。
その場合は最初に一括返済を行ってから所有権の移動、その後に売却という流れになるので、一時的に自分の財布から残債分の出費が発生します。
その後に車が売却できたら残債を上回る収入を得られる、というわけです。
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ローンが残っている車を高く売るためには?
ローンの残った車の売却は、所有権解除の手続きさえ完了すれば、通常の売却と同じになります。
そのため、車を高く売るためのコツも同様であり、次のようなポイントに気を付けるとよいでしょう。
なお、これらのポイントは別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
年式、走行距離に注目しよう
車の売却金額は車の状態に大きく左右されるもので、特に年式と走行距離は重要です。
年式で5年以上、もしくは走行距離で50,000kmを超えた時点で売却額は大きく下がる傾向があるため、もしこの大台が近づいているのであれば、その前に売却するとよいでしょう。
車の清掃、点検整備を行う
車の状態は日々の清掃や点検整備でも変わってくるものです。キレイに保たれている車は印象もよく、査定で有利になります。
また、点検整備がしっかりされている車であれば、査定で減点されるポイントも少ないです。定期点検や部品交換をしっかり行っている車のほうが、高く売れるでしょう。
純正仕様をキープする
車の楽しみの一つに、外装や内装にカスタムパーツを装着することがありますが、車の売却に対してはマイナスに働きます。
買い取られた車は不特定多数の人に中古車として販売されますが、その際にカスタムされていると、人気が落ちるためです。
そのため、純正仕様をできるだけキープするとよいでしょう。カスタムした箇所を純正に戻せるのであれば、それでもOKです。
高く売れる時期を見極める
一年のうちで車が高く売れる時期があり、そのタイミングに合わせて手放すことで、有利な条件で売却が行えます。
その時期とは1~3月、もしくは7~9月となっており、中古車需要の増加に合わせて買い取りが強化されるので、普段より高い査定額をつけてもらえることもあれば、ポイントなどで追加の利益分を得られる場合もあるでしょう。
まとめ
ローンは車を購入する際に組むことが多いですが、ローン期間中でも売却は可能です。
ただし、ローンの一括返済や所有権解除の手続きが必要となりますので、この記事を参考に売却のための手続きを進めましょう。
ユーポスでは、各地にある店舗や出張にて車の買取を行っています。ローン残債の残った車の売却は、ぜひ一度ユーポスへご相談ください。