輸入車は国産車より値落ちが大きい?実査定データで新車からの残価率を比較
「輸入車は国産車より値落ちが大きい」
車の購入を検討するとき、このような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、中古車市場では「輸入車は新車で買うと値落ちが大きい」と言われることがあります。
しかし、輸入車はもともとの新車価格が高い車も多いため、単純に中古車価格だけを比べても本当に値落ちが大きいのかは分かりません。
そこで今回ユーポスでは、実際の査定データに当時の新車価格を組み合わせ、新車価格を100としたときに1年・2年・3年後にどれくらい価値が残っているのかを分析しました。
さらに、国産車と輸入車で新車価格帯をそろえ、300万円クラス・500万円クラスで比較しています。
先に結論
今回比較した車種では、輸入車は新車購入後の1~3年で、国産車より大きく価値が下がるケースが確認されました。
特に同じ新車価格帯で比較しても差が残っており、単に「輸入車は新車価格が高いから下落額が大きく見える」というだけではありませんでした。
一方、すでに中古車として価格が下がった後の値落ち速度については、国産車との差は新車時ほど大きくありません。
「輸入車は値落ちが大きい」をどう検証する?
輸入車と国産車の値落ちを比較するとき、単純な中古車価格の平均比較では正確に判断できません。
たとえば、新車500万円の輸入車と新車300万円の国産車では、中古車として200万円になったときの意味がまったく違います。
そこで今回は、
残価率 = 査定価格 ÷ 新車時の車両価格 × 100
として、新車時の価値を100としたときにどれだけ価値が残っているかを比較しました。
また、同じ型式でもグレードや登録時期によって新車価格が異なるため、可能な限り型式・グレード・登録時期に対応した当時のメーカー希望小売価格を使用しています。
500万円クラスでは、3年後に約75万円の差
まず、比較しやすい約500万円クラスの例を見てみます。
国産車側はマツダ CX-60 XD-HYBRID Exclusive Sports、輸入車側はBMW 118d M Sportです。
| 車種 | 1年後 | 2年後 | 3年後 |
|---|---|---|---|
| CX-60 | 約74.5% | 約73.4% | 約59.8% |
| BMW 118d | 約68.6% | 約55.5% | 約45.0% |

500万円の新車だったと仮定して金額に置き換えると、3年後は次のイメージになります。
| 500万円の新車 | 3年後の価値 | 下落額 |
|---|---|---|
| CX-60相当 | 約299万円 | 約201万円 |
| BMW 118d相当 | 約225万円 | 約275万円 |
同じ500万円クラスでも、3年後の価値には約74万円の差が生じる計算です。
しかも国産側にアルファードやランドクルーザープラドのような特に残価が高い車を使った比較ではありません。
CX-60自体も3年間で約40%価値が下がっています。それでもBMW 118dの方がさらに大きく下落しました。
300万円クラスでも3年後に差が出た
別の価格帯でも同様の傾向があるのか確認しました。
約300万円クラスでは、国産車のスバル フォレスター Advanceと、輸入車のVolkswagen T-Cross Activeを比較しています。
| 価格帯 | 国産車 | 3年後 | 輸入車 | 3年後 |
|---|---|---|---|---|
| 約300万円 | フォレスター Advance | 約76.7% | T-Cross Active | 約61.4% |
| 約500万円 | CX-60 | 約59.8% | BMW 118d | 約45.0% |

300万円の車に置き換えると、3年後の価値は、
国産車:約230万円
輸入車:約184万円
差:約46万円
500万円クラスだけでなく300万円クラスでも、輸入車の方が3年時点の残価率が低い結果となりました。
つまり今回の比較では、「輸入車は新車価格が高いから、下落額も大きく見えるだけ」では説明できない差が確認されています。
輸入車は特に最初の1~3年で下がりやすい?
今回の分析で特に注目したいのが、輸入車の値落ちがいつ起きているのかです。
BMW 118d M Sportでは、新車価格を100としたとき、
| 新車時 | 100% |
|---|---|
| 1年後 | 約68.6% |
| 2年後 | 約55.5% |
| 3年後 | 約45.0% |
今回の対象車両では、1年時点ですでに新車価格から約3割低下し、3年時点では半分以下となっています。
Volvo XC60 B5 AWD Inscriptionでも、十分なデータが得られた範囲では3年時点の残価率は約50%でした。
一方、輸入車すべてが同じペースで下がるわけではありません。
Audi A3やVolkswagen Golf GTIなど、3年時点でも残価率が60~70%程度残る型も確認されています。
したがって、
「輸入車は3年で必ず半額になる」という意味ではありません。
ただし、今回十分なデータを確認できた主要輸入車では、新車購入後の1~3年で大きく価値が下がる型が複数確認されました。
中古車になってからも輸入車はずっと値落ちが大きい?
ここが今回の分析で興味深かった点です。
新車価格からの残価率では、輸入車側で大きな下落が確認されました。
しかし、すでに中古車として価格が下がった車について、その後さらに1年古くなる影響や1万km走行する影響を比較すると、国産車との差は新車時ほど大きくありませんでした。
つまり、今回のデータからは、
新車購入後の初期数年間で大きな価格差が生じ、その後は中古車として価格が落ち着いていく
という構造が考えられます。
「輸入車はずっと急激に値落ちし続ける」というより、新車から中古車になる初期の価格変化が大きい車が多いと見る方が、今回の結果には合っています。
なぜ輸入車は新車から値落ちしやすい?
今回の実査定データだけから原因を特定することはできません。
中古車価格には、ブランド、モデル人気、国内での需要、新車価格の改定、モデルチェンジ、維持費、故障リスクへの見方、保証の有無、中古車の供給量など、さまざまな要因が影響します。
また、輸入車は新車販売時に値引きやキャンペーンが行われる場合もあり、メーカー希望小売価格と実際の購入価格が一致しないケースがあります。
そのため、本記事の残価率は、
「実際に支払った金額の何%が戻ってくるか」
を示しているわけではありません。
あくまで、当時のメーカー希望小売価格と実査定価格を比較したものです。
国産車でも値落ちが大きい車はある
もちろん、「国産車なら値落ちしない」という結果でもありません。
今回比較したCX-60では、3年時点の残価率は約59.8%でした。
つまり国産車でも、新車価格から3年間で約40%価値が下がるケースがあります。
反対に、アルファードやランドクルーザープラドなど、新車価格に対して非常に高い中古車価値を維持する国産車もあります。
輸入車側でも、車種やモデルによって残価率には大きな差があります。
したがって、実際の車選びでは、
「輸入車だから値落ちする」「国産車だから値落ちしない」と一括りにしないことが重要です。
今回の調査・分析について
本記事では、株式会社ユーポスが保有する実査定データを使用しました。
実査定データに含まれる型式・グレード・登録時期をもとに、当時のメーカー希望小売価格を確認できた車両について残価率を算出しています。
新車価格は車両本体価格を基準とし、メーカーオプション・ディーラーオプション・諸費用などは含めていません。
また、新車価格と査定価格の税区分をそろえて計算しています。
国産車と輸入車では車種構成が大きく異なるため、単純な全車平均だけで判断せず、同程度の新車価格帯にある車種同士の比較も行いました。
本記事に掲載している残価率は、実際の査定データから確認された傾向です。個別車両の将来価格を保証するものではありません。
同じ車種・型式でも、グレード、装備、ボディカラー、走行距離、修復歴、内外装状態、査定時期、市場環境などによって価格は大きく異なります。
また、年齢ごとのサンプル数が十分でない車種については、少数データを一般化しないよう、主な結論には使用していません。
まとめ|輸入車は「最初の1~3年」の値落ちに注意
今回、新車価格と実査定データを組み合わせて国産車と輸入車を比較したところ、輸入車では新車購入後の1~3年で大きく価値が下がる車種が複数確認されました。
同じ新車価格帯で比較しても、3年後の残価率は輸入車の方が低いケースが確認されています。
約300万円クラスでは3年後に約46万円、約500万円クラスでは約74万円の価値差が生じる結果となりました。
一方、すでに中古車として価格が下がった後は、その後の値落ち速度について国産車との差は小さくなる傾向もあります。
「輸入車はずっと値落ちが大きい」というより、「新車から中古車になる最初の数年間で大きく価格が下がりやすい」と考える方が、今回の実査定データには合っています。
ただし、値落ちの大きさは車種・モデルによって大きく異なります。
購入時や売却時には、「国産か輸入か」だけでなく、その車種・型式が中古車市場でどのように評価されているかを確認することが重要です。






