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ハイブリッド車はガソリン車より高く売れる?実査定データで「新車時の価格差」まで検証

「ハイブリッド車はリセールがいい」

車を購入するとき、このように聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際、同じ車種でもハイブリッド車はガソリン車より新車価格が高く設定されていることが多く、中古車になってからもハイブリッドの方が高い価格で取引されている車種があります。

では、新車購入時にハイブリッドへ追加で支払った金額は、売却するときにもそのまま残っているのでしょうか。

今回ユーポスでは、実際の査定データを使い、同一車種・同一世代のガソリン車とハイブリッド車を型式単位で比較しました。

さらに、新車時の価格差と中古車査定時の価格差を比較し、「ハイブリッドに追加で払った金額が、中古車価値としてどの程度残っているのか」まで検証しました。

先に結論

今回比較した車種では、ハイブリッド車の方が高く査定されるケースが多く見られました。

ただし、新車購入時に支払ったハイブリッドの上乗せ額が、そのまま中古車査定時にも残っているわけではありません。

さらに、ハイブリッドとガソリンの価格差は車種によって大きく異なり、今回のデータではハイブリッドの方が低い傾向となった車種もありました。

ハイブリッド車はガソリン車より高く査定される?

まず、同一車種・同一世代のガソリン車とハイブリッド車を比較しました。

単純に査定価格の平均を比べるだけでは、年式や走行距離、グレード構成などの違いが結果に混ざってしまいます。

そこで今回は、燃料種別の入力データではなく車両型式からガソリン車・ハイブリッド車を判定し、車齢、走行距離、車両評価、査定時期などの違いを考慮して比較しました。

その結果、ハイブリッド車の方が高い傾向となった車種が多く確認されました。

車種 ガソリン型式 HV型式 HVの査定価格差
アルファード30系 AGH30W AYH30W 約+16.7%
ハリアー60系 ZSU60W AVU65W 約+16.0%
ヴォクシー80系 ZRR80W ZWR80W 約+10.7%
シエンタ170系 NSP170G NHP170G 約+16.1%
フリード2代目 GB5 GB7 約+6.9%
RAV4 50系 MXAA54 AXAH54 約+9.4%
ヴェゼル初代 RU1 RU3 約-4.9%

※車齢、走行距離、車両評価、査定時期などの違いを考慮した分析値です。個別車両の査定価格がこの割合で変化することを示すものではありません。

多くの車種ではハイブリッド車が高い結果となりましたが、差の大きさは車種ごとにかなり異なります。

また、初代ヴェゼルのように、今回の分析ではガソリン車の方が高い方向となった車種もありました。

「HVは高く売れる」だけでは判断できない

ここで注意したいのが、ハイブリッド車は新車時点ですでにガソリン車より高価であるという点です。

たとえば、新車時にガソリン車より60万円高かったハイブリッド車が、中古車になって30万円高く査定されたとします。

この場合、

「ハイブリッド車の方が30万円高く売れた」

こと自体は事実です。

しかし、新車購入時には60万円多く支払っています。

つまり、「売るときに高いこと」と「新車時に支払った価格差を回収できること」は別の話です。

新車時のHV上乗せ額は、中古車査定でどれくらい残る?

そこで代表車種について、新車時のガソリン車とハイブリッド車の価格差と、実査定データから確認された中古車査定時の価格差を比較しました。

車種 新車時のHV上乗せ額 査定時に残った価格差の目安
アルファード30系 約100.9万円 約43.5万円
RAV4 50系 約61.6万円 約32.3万円
ハリアー60系 約82.5万円 約21.9万円
シエンタ170系 約36.0万円 約10.1万円
ヴェゼル初代 約38.0万円 約-31.1万円

※新車価格差は代表的な同一・近似グレードの当時のメーカー希望小売価格をもとに算出しています。査定価格差は実査定データから算出した分析値の目安です。

新車時のハイブリッド上乗せ額と中古車査定時に残った価格差を車種別に比較したグラフ

代表車種を見ると、ハイブリッドの価格差が中古車になってからも一定程度残っているケースはあります。

しかし、新車時に支払った上乗せ額がそのまま査定価格に残っている車種は確認できませんでした。

アルファード|HVは高く売れるが、新車時の価格差すべては残らない

30系アルファードでは、ガソリン2WDのAGH30Wと、ハイブリッドのAYH30Wを比較しました。

今回の分析では、ハイブリッド車の方が査定価格で約16.7%高い傾向が確認されています。

一方、代表的なXグレードでは、新車時のガソリン車とハイブリッド車の価格差は約100万円ありました。

中古車査定時に残った価格差の目安は約43万円です。

つまり、

「ハイブリッドだから高く売れる」ことと、「購入時に追加で払った約100万円を売却時に回収できる」ことは同じではありません。

なお、アルファードはガソリン2WD(AGH30W)とハイブリッドE-Four(AYH30W)の比較です。

駆動方式まで完全に同じ条件にした比較ではなく、一般的なガソリン車購入層とハイブリッド車購入層に近い代表型式同士を比較しています。

HVの価格差は年数が経つとどうなる?

ハイブリッド車の価格差が、年数とともにどう変化するのかも確認しました。

30系アルファードでは、代表的な条件で見ると次のような傾向です。

車齢 HVの査定価格差の目安
3年落ち 約78.5万円
5年落ち 約55.8万円
7年落ち 約48.2万円

今回のデータでは、アルファードのHV優位は年数が経っても残っています。

ただし、その価格差は新しい時期ほど大きく、年数の経過とともに縮小する傾向が見られました。

一方、ヴォクシー80系では、5~8年落ちでも新車時のHV上乗せ額の半分前後が査定価格差として残る傾向が確認されています。

HVの価格差がどれくらい残るかは、車種によって異なります。

初代ヴェゼルではガソリン車の方が高い傾向

今回の分析で特に特徴的だったのが、初代ヴェゼルです。

新車時には、同等グレードでハイブリッド車の方がガソリン車より約38万円高く設定されていました。

ところが、実査定データで車齢、走行距離、評価点、査定時期などを考慮して比較すると、ハイブリッド車の方が低い方向となりました。

グレード帯をさらにそろえて確認しても、同様の傾向が残っています。

ただし、ここから

「ヴェゼルはガソリン車を買った方が得」

と結論づけることはできません。

中古車価格は、パワートレインだけでなく、グレード、装備、年式、走行距離、車両状態、中古車市場での需要など多くの条件によって変化します。

今回確認されたのは、あくまで分析対象期間の実査定データでは、初代ヴェゼルでガソリン車の方が高く評価される傾向が見られたという結果です。

なぜ車種によってHVの価値が違う?

ハイブリッド車の価値は、単純に「燃費が良いから高い」というだけでは決まりません。

中古車市場では、たとえば次のような要素が価格に影響します。

  • ガソリン車とハイブリッド車それぞれの中古車需要
  • 新車時の価格差
  • 車齢
  • 走行距離
  • グレード構成
  • 駆動方式
  • 装備・メーカーオプション
  • 車両状態
  • 国内での人気
  • 海外への輸出需要
  • モデルチェンジや新型車の登場

さらに、中古車は一物一価性が非常に高い商品です。

同じ型式・同じ年式でも、色、装備、走行距離、状態、査定時期などによって価格は大きく異なります。

そのため、今回掲載している金額や割合を、個別の車両にそのまま当てはめることはできません。

燃料代まで含めた「得・損」を比較したものではない

今回の調査では、ハイブリッド車とガソリン車の査定価格の違いを分析しています。

そのため、燃料代、税金、購入時の補助制度、メンテナンス費用などを含めたトータルコストを比較したものではありません。

ハイブリッド車を選ぶメリットには、売却価格だけでなく、保有期間中の燃料費などもあります。

逆に、購入価格が高い分、売却価格だけでは差額を回収できない場合もあります。

したがって、

「ハイブリッドの方が高く売れる」=「ハイブリッドを買った方が経済的に得」

という意味ではありません。

調査・分析について

本記事では、株式会社ユーポスが保有する実査定データを使用しています。

燃料種別の入力項目は一部手入力を含むため、今回の分析では使用せず、車両型式からガソリン車・ハイブリッド車を判定しました。

同一車種・同一世代の型式を比較し、車齢、走行距離、車両評価、査定時期など、査定価格に影響する主な条件の違いを考慮しています。

また、新車時の価格差については、比較可能な同一・近似グレードの当時のメーカー希望小売価格を使用しています。

本調査の注意点

今回の分析結果は、多数の査定データから確認された傾向です。個別車両の査定価格や将来のリセールバリューを保証するものではありません。

グレード、装備、ボディカラー、車両状態、駆動方式、査定時期、市場需要など、データ上完全には統一できない条件があります。

また、新車価格は代表的な同一・近似グレードを使用しているため、すべてのグレードについて同じ価格差が存在するわけではありません。

まとめ|HVは高く売れる車種が多いが、「価格差が戻ってくる」とは限らない

今回、ガソリン車とハイブリッド車を型式単位で比較したところ、ハイブリッド車の方が高く査定される車種が多く確認されました。

しかし、新車時に支払ったハイブリッドの上乗せ額が、そのまま中古車査定時にも残っているわけではありません。

アルファード、RAV4、ハリアー、シエンタなどではHVの価格優位が残っていましたが、その大きさは車種ごとにかなり異なります。

また、初代ヴェゼルのように、今回のデータではガソリン車が高い方向となった車種もありました。

つまり、

「ハイブリッドだからリセールが良い」と一括りにするのではなく、その車種・型式で実際にどのような中古車評価になっているかを見ることが重要です。

売却価格を考える際には、ハイブリッドかガソリンかという違いだけでなく、現在の車両状態や年式、走行距離、グレードなども含めて査定価格を確認する必要があります。

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