
自動車の名義変更に必要な書類と費用をケース別に解説
車を購入したり、家族や知人から譲り受けたりした際に、「自動車の名義変更は何から始めればよいのか」と迷う方もいるでしょう。名義変更は、必要書類や申請先を確認して進めれば、手続きの流れを把握しやすくなります。
所有者が変わった場合は期限内の申請が必要になるため、早めに準備を進めることが大切です。
本記事では、自動車の名義変更に必要な書類や費用、普通車と軽自動車の違い、ケース別の注意点を解説します。ローンが残る車や売却時の名義変更で迷っている方も、手続き前の確認点を整理しやすくなります。
このページの目次
自動車の名義変更の基本

自動車の名義変更は、車の所有者が変わった事実を車検証に反映する手続きです。売買や譲渡、相続などで必要になるため、手続きの意味を先に理解しておくと迷いにくくなります。
ここでは、名義変更の役割、必要になる主な場面、申請期限の考え方を整理します。
所有者を変更する手続き
自動車の名義変更は、車検証に記録されている所有者を、新しい所有者へ変更する手続きです。普通車では、正式には「移転登録」と呼ばれます。車を売買したり、譲り受けたりしても、車検証の内容が自動的に変わるわけではありません。
例えば、知人から車を譲り受けた場合でも、車検証の所有者が前の人のままなら、税金やリコールの案内が旧所有者へ届く可能性があります。車を使っている人と、登録上の所有者が一致しない状態になるためです。
そのため、車を取得したときは、まず車検証の所有者欄を確認することが大切です。所有者が変わる場合は、必要書類をそろえ、名義変更を進めましょう。
※出典:国土交通省「引越をした時、名義変更した時の手続について(自動車登録等適正化)」
名義変更が必要になる場面
自動車の名義変更は、車の所有者が別の人へ移るときに必要です。代表的な場面は、車の売買、家族や知人への譲渡、相続による取得などです。親子や夫婦の間で車を譲る場合でも、所有者が変わるなら手続きの対象になります。
特に個人売買では、車を引き渡したあとに名義変更が遅れると、税金や管理責任をめぐるトラブルにつながることがあります。車をすでに手放していても、登録上の所有者が旧所有者のまま残るためです。
また、所有者が亡くなった車を引き継ぐ場合は、相続に関する確認も必要になります。誰が車を取得するのかを整理したうえで、名義変更を進めることが重要です。
※出典:国土交通省「引越をした時、名義変更した時の手続について(自動車登録等適正化)」
15日以内の申請期限
自動車の所有者が変わったときは、原則として15日以内に名義変更の申請が必要です。道路運送車両法では、登録自動車の所有者に変更があった場合、新所有者が変更のあった日から15日以内に移転登録を申請すると定められています。
この期限は、車を譲り受けた日や売買が成立した日が目安です。手続きを後回しにすると、車を取得していても名義が旧所有者のまま残る可能性があります。
名義変更が遅れると、税金や保険、各種通知の扱いが複雑になることがあります。車を取得したら、必要書類を早めに確認し、期限内に申請できるよう準備を進めましょう。
※出典:道路運送車両法「移転登録(第十三条)」
自動車の名義変更に必要な書類
自動車の名義変更では、車を譲る人と取得する人がそれぞれ書類を用意します。代理人に手続きを任せる場合は、本人の意思を示す書類も必要です。
ここでは、旧所有者、新所有者、代理人へ依頼する場合に分けて必要書類を整理します。
旧所有者が用意する書類
旧所有者は、車を新しい所有者へ譲る意思を確認できる書類を用意します。普通車の名義変更では、車検証の内容と本人確認書類の情報が合っているかが重要です。
主な書類を整理すると、以下のようになります。
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書類 |
確認する内容 |
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車検証 |
現在の所有者や車両情報を確認する |
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譲渡証明書 |
旧所有者から新所有者へ車を譲ることを示す |
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印鑑証明書 |
実印が本人のものか確認する |
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委任状 |
旧所有者が窓口へ行かない場合に用意する |
印鑑証明書は、発行から3カ月以内のものが必要です。印鑑証明書は通常1通ですが、売却と購入を同時に行うなど、2通準備が必要なケースもあります。車検証の住所や氏名が現在の印鑑証明書と異なる場合は、住民票や戸籍謄本などで変更のつながりを確認します。
旧所有者側の書類がそろわないと手続きを進められないため、車を渡す前に内容を確認しておく必要があります。
※出典:国土交通省「Q10.知人から車を購入することにしました。相手からどんな書類を出してもらう必要があるのでしょうか?」
新所有者が用意する書類
新所有者は、車を取得する本人であることや、車を保管する場所を確認できる書類を用意します。普通車の場合は、本人確認だけでなく保管場所の確認も必要になるため、事前に準備しておくと手続きが進めやすくなります。
新所有者が用意する書類は、主に次の通りです。
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書類 |
確認する内容 |
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印鑑証明書 |
新所有者本人の情報を確認する |
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委任状 |
代理人が申請する場合に用意する |
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自動車保管場所証明書 |
車の保管場所を確認する |
|
申請書類 |
運輸支局で移転登録を行う際に使用する |
自動車保管場所証明書は、一般的に車庫証明と呼ばれる書類です。車を保管する場所を管轄する警察署で申請します。
印鑑証明書や車庫証明は、名義変更の予定に合わせて取得することが大切です。早く取りすぎると、再取得が必要になる場合があります。
※出典:
国土交通省「Q10.知人から車を購入することにしました。相手からどんな書類を出してもらう必要があるのでしょうか?」
警視庁「保管場所証明申請手続(窓口での申請)」
代理人に依頼する書類
名義変更を本人以外に任せる場合は、代理人が手続きできることを示す書類を用意します。旧所有者や新所有者が窓口へ行かない場合は、委任状の有無を中心に確認することが大切です。
代理人に依頼する際の主な確認点は、以下のとおりです。
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確認する書類 |
確認する内容 |
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委任状 |
本人が代理人へ手続きを任せる意思を示す |
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印鑑証明書 |
実印の押印が必要な場合に印影を確認する |
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車検証 |
委任状や申請書に記入する車両情報を確認する |
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申請書類 |
代理人が窓口で提出する内容を確認する |
代理人へ依頼する場合でも、すべてを任せきりにするのではなく、委任状の記入内容や車検証の情報を確認しておくと安心です。
住所や氏名、車台番号に誤りがあると、手続きが止まる可能性があります。依頼前に必要書類を整理し、不備を防ぎましょう。
※出典:国土交通省「様式ダウンロード(自動車登録関係)」
自動車の名義変更の流れ
自動車の名義変更は、必要書類をそろえたうえで、順番に申請を進める手続きです。普通車では、先に車庫証明を取得し、その後に運輸支局で登録手続きを行います。
ここでは、保管場所の確認から登録申請、税金に関する届け出までの流れを整理します。
車庫証明の取得
普通車の名義変更では、先に車庫証明を取得しておく必要があります。車庫証明は、車を保管する場所が確保されていることを示す書類で、正式には「自動車保管場所証明書」といいます。
取得までの流れは、次のようになります。
1.車を保管する場所を決める
2.管轄の警察署を確認する
3.申請書や所在図、配置図などを用意する
4.警察署へ申請する
5.交付日に車庫証明を受け取る
自宅の敷地に置く場合と、月極駐車場を借りる場合では、提出する書類が異なります。
また、車庫証明は申請したその場で受け取ることはできません。名義変更の予定日から逆算し、余裕を持って申請しておくと手続きが進めやすくなります。
※出典:警視庁「保管場所証明申請手続(窓口での申請)」
運輸支局での申請
車庫証明や必要書類がそろったら、運輸支局で名義変更の申請を行います。普通車の名義変更は、正式には「移転登録」と呼ばれる手続きです。
申請当日は、次の流れで進めると確認しやすくなります。
1.管轄の運輸支局を確認する
2.申請書や手数料納付書を用意する
3.車検証や譲渡証明書などを提出する
4.必要に応じてナンバープレートを変更する
5.新しい車検証の内容を確認する
申請先は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局や自動車検査登録事務所です。
車検証と印鑑証明書の住所や氏名が一致していない場合は、追加書類が必要になることがあります。窓口へ行く前に、書類の記載内容を照らし合わせて確認しましょう。
※出典:国土交通省「Q10.知人から車を購入することにしました。相手からどんな書類を出してもらう必要があるのでしょうか?」
自動車税の申告
運輸支局で名義変更を行う際は、自動車税に関する申告も確認します。自動車を譲り受けた場合は、登録手続きだけでなく、税金に関する届け出まで済ませることが大切です。
主な流れは、次のようになります。
1.自動車税の申告窓口を確認する
2.必要な申告書類を用意する
3.登録内容に沿って申告する
4.税金の通知先に誤りがないか確認する
自動車税の申告は、運輸支局や自動車検査登録事務所に併設された窓口で行うのが一般的です。
個人売買では、名義変更や税金の扱いがあいまいになると、後からトラブルにつながることがあります。登録と税金の手続きをまとめて確認し、申告漏れを防ぐことが大切です。
※出典:大阪府「自動車税」
軽自動車の名義変更の手続き
軽自動車の名義変更は、普通車と申請先や必要書類が異なります。普通車と同じ流れで考えると、窓口や持ち物を間違えるおそれがあるため注意が必要です。
ここでは、軽自動車の申請先、住所確認に使う書類、ナンバー変更が必要になる条件を整理します。
軽自動車検査協会での申請
軽自動車の名義変更は、軽自動車検査協会で行います。普通車のように運輸支局で移転登録を行うのではなく、軽自動車専用の窓口で手続きする点を押さえておきましょう。
主な確認事項は、以下のとおりです。
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確認する項目 |
内容 |
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申請先 |
使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会 |
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主な書類 |
車検証、申請書、住所を証明する書類など |
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印鑑の扱い |
現在は申請書への押印は原則不要 |
|
注意点 |
所有者が販売店やローン会社の場合は同意が必要になることがある |
軽自動車は、普通車と比べて必要書類が異なる部分があります。特に、車検証の使用者と所有者が違う場合は、所有者側の確認が必要になることがあります。
手続きを始める前に、車検証の所有者欄を確認し、管轄の軽自動車検査協会で必要書類を確認しておくと安心です。
※出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
住民票で対応できる書類
軽自動車の名義変更では、新しい使用者の住所を確認するための書類が必要です。個人の場合は、住民票の写しや印鑑登録証明書などを使えます。
用意する書類は、次の内容に注意しましょう。
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項目 |
内容 |
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使用できる書類 |
住民票の写し、印鑑登録証明書など |
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有効期間 |
発行から3カ月以内 |
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マイナンバー |
記載がないものを用意 |
|
本籍の記載 |
原則として不要 |
住民票は取得しやすい書類ですが、マイナンバーが記載されているものは手続きに使えません。名義変更に使う目的で取得する場合は、窓口やコンビニ交付でマイナンバーなしを選ぶことが大切です。
発行日も確認し、3カ月以内の書類を準備しましょう。
※出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
ナンバープレート変更の条件
軽自動車の名義変更では、必ずしもナンバープレートが変わるわけではありません。変更が必要になるかどうかは、主に使用する本拠の位置の管轄が変わるかで判断します。
判断の目安は、以下のとおりです。
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状況 |
ナンバープレートの扱い |
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管轄が変わらない |
原則として変更不要 |
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管轄が変わる |
新しいナンバープレートへ変更 |
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希望ナンバーにしたい |
事前予約が必要 |
|
現在の番号を使いたい |
変更できるか事前確認が必要 |
例えば、別の地域で車を使うようになる場合は、管轄が変わりナンバープレートの変更が必要になることがあります。反対に、使用する地域が同じであれば、現在のナンバーをそのまま使える場合があります。
手続き当日の持ち物にも関わるため、車検証の住所と新しい使用場所を確認しておきましょう。
※出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
自動車の名義変更にかかる費用
自動車の名義変更では、登録手数料や車庫証明の取得費用などがかかります。手続きを依頼する場合は、法定費用とは別に代行費用も確認が必要です。
ここでは、登録時にかかる費用、保管場所の証明に関する費用、依頼時に確認したい費用の内訳を整理します。
移転登録の手数料
普通車の名義変更では、所有者を変更するための移転登録手数料がかかります。手数料は申請方法によって異なるため、窓口で手続きする場合と、オンライン申請を利用する場合で分けて確認しましょう。
費用の違いを整理すると、以下のようになります。
|
申請方法 |
2026年4月以降の手数料 |
|
窓口申請 |
700円 |
|
OSS申請 |
600円 |
OSSとは、自動車関係の手続きをインターネット上で行う仕組みです。窓口申請とOSS申請では手数料が異なりますが、実際の費用は登録手数料だけで決まるわけではありません。
例えば、管轄が変わる場合はナンバープレート代が別途必要になることがあります。申請前に、登録手数料とあわせて追加費用の有無も確認しておきましょう。
※出典:国土交通省「自動車の登録・検査の法定手数料変更について」
車庫証明の取得費用
普通車の名義変更では、車庫証明の取得費用が必要になる場合があります。車庫証明は、車を保管する場所を確保していることを示す書類です。正式には「自動車保管場所証明書」といいます。
東京都の手数料を例にすると、以下のようになります。
|
申請方法 |
車庫証明の申請手数料 |
|
窓口申請 |
2,400円 |
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電子申請 |
2,300円 |
手数料は都道府県によって異なります。2025年7月1日以降は保管場所標章が廃止されたため、標章交付手数料は不要です。ただし、車庫証明の手続き自体がなくなったわけではありません。
引っ越しや車の取得で保管場所が変わる場合は、管轄の警察署で費用を確認しましょう。
※出典:警視庁「保管場所手続に係る手数料」
代行依頼の費用
名義変更を販売店や買取店、行政書士などに依頼する場合は、代行費用がかかることがあります。平日に運輸支局や警察署へ行く時間がない方にとっては、手間を減らしやすい方法です。
依頼時に確認したい費用は、以下のように分けて考えると分かりやすくなります。
|
費用の種類 |
確認する内容 |
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法定費用 |
登録手数料や車庫証明の手数料 |
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代行報酬 |
書類作成や申請を依頼する費用 |
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追加費用 |
ナンバー変更や遠方対応などの費用 |
代行費用は、依頼先や対応範囲によって変わります。移転登録だけを任せる場合と、車庫証明やナンバー変更まで依頼する場合では、必要な作業が異なるためです。
費用の見積もりを確認する際は、法定費用と代行報酬が分けて記載されているかを見ておきましょう。
※出典:日本行政書士会連合会「報酬額の統計」
ケース別の自動車名義変更
自動車の名義変更は、車を取得した理由によって確認すべき書類や注意点が変わります。親子間の譲渡、個人売買、相続では、同じ名義変更でも手続き前に見るべきポイントが異なるためです。
ここでは、家族間の受け渡し、個人間での売買、相続で車を引き継ぐ場合の注意点を整理します。
親子間での譲渡
親子間で車を譲る場合でも、所有者が変わるなら名義変更が必要です。家族同士の受け渡しであっても、車検証の所有者欄は自動的に変わりません。旧所有者から新所有者へ車を譲る手続きとして、譲渡証明書や印鑑証明書などを用意します。
普通車の場合、新しい使用者の保管場所が変わるときは車庫証明も必要です。同居している親子であっても、車検証に記載された所有者や使用者の情報は確認しておきましょう。
名義が旧所有者のままだと、自動車税の通知や各種案内が前の所有者へ届く可能性があります。家族間だからと後回しにせず、車を譲る時点で書類をそろえておくことが大切です。
個人売買での取得
個人売買で車を取得した場合は、引き渡し後の名義変更を確実に行うことが重要です。代金の支払いと車の受け取りが済んでも、車検証の所有者が変わっていなければ、登録上の手続きは完了していません。
普通車の移転登録では、旧所有者の譲渡証明書や印鑑証明書、新所有者の印鑑証明書、車庫証明などを用意します。代理人が申請する場合は、委任状も必要です。売主側の書類に不備があると、買主だけでは手続きを進められないことがあります。
個人売買では、売主と買主の間で名義変更の期限を決めておくと安心でしょう。車を渡す前に必要書類を確認し、後日連絡が取れなくなる事態を防ぐことが大切です。
※出典:国土交通省「Q10.知人から車を購入することにしました。相手からどんな書類を出してもらう必要があるのでしょうか?」
相続による取得
相続で車を取得する場合は、亡くなった所有者から相続人へ名義変更を行います。最初に確認したいのは、車検証の所有者欄です。所有者が本人ではなく、販売店やローン会社になっている場合は、通常の相続手続きとは進め方が変わることがあります。
相続による名義変更では、戸籍謄本や遺産分割協議書などが必要になる場合があります。相続人が複数いるときは、誰が車を取得するのかを整理してから手続きを進めます。
相続した車を売却する場合でも、名義の整理が必要になることがあります。売却を急ぐ場合は、車検証を手元に用意し、必要書類と手続きの流れを早めに確認しましょう。
※出典:関東運輸局「自動車の相続による手続き」
ローンが残る自動車の名義変更
ローンが残る自動車は、通常の名義変更と同じように進められない場合があります。車検証の所有者が販売店やローン会社になっていると、完済や所有権の移転が関係するためです。
ここでは、車検証で確認すべき点、完済後に必要な対応、売却時の精算方法を整理します。
所有権留保の確認
ローンが残る自動車は、最初に車検証の「所有者」と「使用者」を確認します。購入者が普段から車を使っていても、所有者が販売店やローン会社になっている場合があります。この状態は「所有権留保」と呼ばれます。
確認する順番は、次のとおりです。
1.車検証の所有者欄を確認する
2.使用者欄に自分の名前があるか確認する
3.所有者が販売店やローン会社になっていないか確認する
4.本人名義でない場合は、所有者へ手続き方法を確認する
所有者が本人でない場合、使用者の判断だけで売却や譲渡を進めることは難しくなります。ローン中の車を名義変更したいときは、車検証の確認を先に行い、必要に応じて販売店やローン会社へ連絡しましょう。
※出典:日本自動車購入協会「ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?」
ローン完済後の所有権解除
ローンを完済しても、車検証の所有者が自動的に変更されるとは限りません。所有者が販売店やローン会社のまま残っている場合は、所有権解除の手続きが必要です。所有権解除とは、車検証上の所有者を使用者本人などへ移すための手続きです。
一般的な流れは、次のようになります。
1.ローンの完済状況を確認する
2.販売店やローン会社へ所有権解除を依頼する
3.譲渡証明書や委任状などを受け取る
4.使用者側の必要書類をそろえる
5.運輸支局で移転登録を行う
完済しただけで名義変更まで完了したと考えると、売却時に手続きが止まることがあります。ローンを支払い終えたあとは、車検証の所有者欄を確認し、必要に応じて所有権解除を進めておきましょう。
売却時の残債精算
ローンが残る自動車を売却する場合は、査定額だけでなく残債額も確認することが大切です。所有者が販売店やローン会社になっている車では、残債の精算が所有権解除の前提になることがあります。
売却前に確認する流れは、次のとおりです。
1.ローン会社へ残債額を確認する
2.車の査定額を確認する
3.査定額と残債額の差額を見る
4.不足分がある場合は精算方法を確認する
5.所有権解除に必要な書類を確認する
査定額が残債を上回る場合は、買取額から残債を精算し、差額を受け取れることがあります。反対に、査定額が残債を下回る場合は、不足分の支払いが必要です。
売却を検討する段階で残債額を確認しておくと、契約前に資金面の見通しを立てやすくなります。
※出典:日本自動車購入協会「ローンや残価設定型クレジット返済中の車を手放すことはできるの?」
自動車の名義変更で起こりやすいトラブル
自動車の名義変更では、手続きを後回しにしたり、書類の確認が不十分だったりすると、余計な手間やトラブルにつながることがあります。特に、申請前の書類確認、税金の通知先、売却後の手続き管理には注意が必要です。
ここでは、名義変更で起こりやすいトラブルと、トラブルを防ぐための確認点を整理します。
書類不備による再申請
名義変更では、必要書類がそろっていない場合や記入内容に誤りがある場合、窓口で申請を受け付けてもらえないことがあります。特に普通車では、印鑑証明書の有効期間や車検証の住所を確認しておくことが大切です。
申請前に確認したい項目は、以下のとおりです。
・印鑑証明書の発行から3カ月以内か
・車検証と印鑑証明書の住所が一致しているか
・譲渡証明書に必要事項が記入されているか
・委任状に実印が押されているか
・住所変更がある場合に住民票などを用意しているか
窓口へ行ってから不備に気づくと、書類の取り直しや再訪問が必要になります。手続きをスムーズに進めるには、車検証、印鑑証明書、譲渡証明書、委任状の内容を事前に照らし合わせておきましょう。
※出典:国土交通省「Q10.知人から車を購入することにしました。相手からどんな書類を出してもらう必要があるのでしょうか?」
税金通知の誤送付
名義変更が済んでいないと、車を手放したあとも旧所有者に自動車税の通知が届くことがあります。自動車税は、原則として4月1日時点で車検証に登録されている所有者に課税されるためです。
税金通知のトラブルを防ぐには、以下の点を確認しましょう。
・売却後に名義変更が完了する時期
・4月1日までに登録内容が変更されるか
・自動車税の負担について契約時に確認しているか
・名義変更完了を確認できる書類があるか
年度の途中で車を売却しても、名義変更が遅れると旧所有者宛てに納税通知書が届く場合があります。特に3月中に車を手放す場合は、4月1日までに手続きが完了するかを確認しておくと安心です。
買取店へ売却する場合は、未経過分の自動車税を含めた買取金額として扱われることがあります。契約時には、自動車税の精算が査定額に含まれているのか、別途精算されるのかを確認しておきましょう。
※出典:日本自動車購入協会「買取業者に3月下旬、普通自動車と名義変更書類を渡した。4月以降の自動車税(種別割)は誰が負担するのか」
売却後の名義変更遅れ
車を売却したあとに名義変更が遅れると、旧所有者に税金や管理上の不利益が残ることがあります。車を引き渡していても、車検証の名義が変わるまでは、登録上の所有者として扱われるためです。
売却後の名義変更の遅れを防ぐには、以下の点を確認しましょう。
・名義変更は誰が行うのか
・いつまでに手続きが完了するのか
・完了後にどの方法で連絡を受けるのか
・契約書や車両引渡証を保管しているか
・自動車税の扱いを事前に確認しているか
個人売買では、買主に任せたまま名義変更が進まないケースがあります。売却後のトラブルを避けるには、車を渡す前に手続きの担当者と完了予定日を確認することが大切です。
買取店へ売却する場合も、契約書や引き渡しに関する書類を保管しておきましょう。
※出典:日本自動車購入協会「安心して車を売却するために(第6回)車と必要書類を引き渡した後」
まとめ
自動車の名義変更は、売買や譲渡、相続などで所有者が変わるときに必要な手続きです。普通車では必要書類をそろえ、車庫証明を取得したうえで、運輸支局で移転登録を行います。軽自動車は軽自動車検査協会で手続きするため、申請先や書類の違いを確認しておくことが大切です。
ローンが残る車は、車検証の所有者欄や残債額の確認も欠かせません。書類不備や名義変更の遅れは、自動車税の通知や売却後のトラブルにつながるおそれがあります。
車の売却に伴う名義変更や残債精算に不安がある方は、お近くの店舗またはWebフォーム等よりご相談ください。






