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車売却委任状の基礎知識|必要なケース・書き方・入手方法を解説

車を売却する際、買取業者から委任状への記入や押印を求められ、「なぜ必要なのか」「どこまで書けばよいのか」と戸惑う方もいるでしょう。

車売却委任状は、買取業者などが名義変更を行う際に、代理権限や委任内容を示す重要な書類です。

本記事では、委任状が必要になるケースや書き方、入手方法、あわせて準備する書類に加え、軽自動車で使用する申請依頼書やローン会社名義・故人名義など通常の委任状だけでは対応できないケースについても解説します。

売却前に必要な手続きを整理し、書類不備を防ぎたい方はぜひ参考にしてください。

 

車売却で委任状が必要な理由

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普通車の売却で委任状が必要になるのは、所有者本人に代わって第三者が名義変更などの登録手続きを行うためです。委任状があることで、代理人に手続きを任せた事実を確認できます。

ここでは、代理人が手続きを行える根拠、所有者本人の意思確認、任せる手続きの範囲を整理します。

 

名義変更手続きの代理権限の証明

委任状は、所有者本人に代わって代理人が名義変更を申請できることを示す書類です。普通車の売却に伴う「移転登録」を代理人が行う場合、旧所有者は実印を押した委任状を用意します。

例えば、買取業者に車を売却し、その後の名義変更を任せるケースが該当します。委任状があれば、所有者本人が運輸支局の窓口へ出向かなくても、代理人が必要な申請を進めることが可能です。

このように、委任状は「この代理人に登録手続きを任せている」と申請時に示すための書類です。所有者本人以外が手続きを行う場合に、その権限を確認する重要な役割があります。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10~11)

 

所有者による委任意思の確認

委任状には、車の所有者が自分の意思で第三者に登録手続きを任せたことを示す役割があります。代理人が普通車の移転登録を行う場合、旧所有者の委任状には、印鑑証明書に登録されている実印を押します。

これにより、代理人が独自の判断で手続きを進めるのではなく、所有者本人から依頼を受けていることを確認できます。車の名義変更は所有権に関わる手続きであるため、所有者の意思を明確にしておくことが重要です。

委任状への記入や押印を求められたときは、何の手続きを任せる書類なのかを確認したうえで対応しましょう。

 

※出典:国土交通省 北海道運輸局「委任状記載例

 

代理人に任せる手続き範囲の明確化

委任状には、代理人にどの手続きを任せるのかを明確にする役割もあります。自動車登録用の委任状には、受任者となる代理人の情報に加え、対象となる車や委任する手続きの内容を記載します。

例えば、車の売却に伴う名義変更であれば、対象車両を特定したうえで、「移転登録」に関する手続きを委任する形です。誰がどの車について何の手続きを行うのかが明確になり、委任された範囲を確認しやすくなります。

委任状を作成するときは、代理人の情報だけでなく、対象車両や委任内容に誤りがないかも確認することが大切です。

 

※出典:国土交通省「委任状

 

車売却で委任状が必要になるケース

車売却では、車検証上の所有者本人以外が名義変更を行う場合に、委任状が必要になります。誰が車を使用しているかではなく、誰が所有者として登録されているかを確認することが重要です。ここでは、買取業者への依頼、家族名義、法人名義のケースを整理します。

 

買取業者への名義変更手続きの依頼

普通車を買取業者へ売却し、その後の名義変更を任せる場合は、旧所有者の委任状を準備します。買取業者が移転登録を代行するケースでは、売主側で必要な書類をそろえて引き渡すことが一般的です。

売却時は、主に次の流れになります。

 

・車検証上の所有者を確認する

・買取業者から指定された委任状を受け取る

・所有者の情報を指定された箇所に記入する

・普通車では旧所有者の実印を押印する

 

必要となる書類や記入箇所は、売却する車や手続きの内容によって異なることがあります。そのため、自分で書式や記入方法を判断するのではなく、実際に名義変更を行う買取業者の案内に沿って準備すると、手続きを進めやすくなります。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10~11)

 

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家族名義の車の代理売却

家族が使用している車であっても、売却時の手続きは車検証上の所有者を基準に進めます。親や配偶者など別の家族が所有者になっている場合は、本人の意思を確認したうえで必要書類を準備することが大切です。

主に確認するポイントは、次のとおりです。

 

・車検証で所有者の氏名を確認する

・所有者本人に売却の意思を確認する

・名義変更を代理申請する場合は委任状を準備する

・普通車では所有者の実印を使用する

 

例えば、親名義の普通車について子どもが買取店とのやり取りを進める場合でも、名義変更に必要な書類は所有者である親を基準にそろえます。家族だから自由に売却できると考えず、まず車検証上の所有者を確認することが重要です。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10~11)

 

法人名義の車の代理売却

法人名義の車を売却し、担当者や買取業者が名義変更を行う場合も、所有者である法人を基準に書類を準備します。担当者個人ではなく、車検証に記録されている法人の情報を確認して進めることがポイントです。

主に確認するポイントは、次のとおりです。

 

・車検証に記録された法人名を確認する

・法人の所在地を確認する

・代理申請に必要な委任状を準備する

・現在の法人情報との相違がないか確認する

 

普通車の移転登録を代理人が申請する場合は、法人の実印を押した委任状を用意します。法人名や所在地が車検証の記録から変わっている場合は、変更の経緯を確認できる書類が必要になることもあるため、事前に登録情報を照合しておくと安心です。

 

※出典:

国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10~13)

国土交通省 北海道運輸局「委任状記載例

 

車売却時の委任状の書き方

車売却の委任状は、誰がどの車について、何の手続きを任せるのかが分かるように記入することが大切です。誤記があると、訂正や書類の準備し直しが必要になることがあります。

ここでは、代理人の確認、対象となる手続きと車両の特定、所有者情報の記載方法を整理します。

 

受任者情報の記入

受任者欄には、所有者から依頼を受けて登録手続きを行う代理人の情報を記入します。受任者とは、委任を受ける側の人を指します。誰に手続きを任せるのかを示す項目なので、指定された情報を正確に記載することが重要です。

記入するときは、次の順番で確認すると分かりやすいでしょう。

 

1.登録手続きを行う代理人を確認する

2.代理人の氏名または名称を確認する

3.代理人の住所を正確に記入する

 

買取業者に名義変更を任せる場合は、業者から渡された委任状や記入案内に沿って進めます。受任者欄に誰の情報を書くのか分からない場合は、自己判断で記入せず、買取業者へ確認しましょう。

記入後は氏名や住所に誤りがないか見直しておくと安心です。

 

※出典:国土交通省 北海道運輸局「委任状記載例

 

委任内容の記入

委任内容の欄では、代理人に任せる手続きと対象となる車を正しく特定します。車売却に伴う名義変更では、所有者を変更する「移転登録」が中心となります。使用する委任状によって書式が異なるため、記入欄を確認しながら進めることが大切です。

記入するときは、次の順番で確認しましょう。

 

1.委任する登録手続きを確認する

2.車検証で対象車両の情報を確認する

3.自動車登録番号または車台番号を正確に記入する

 

自動車登録番号はナンバープレートに表示される番号で、車台番号は車検証で確認できます。買取業者が用意した書式では、委任内容の一部があらかじめ記載されている場合もあります。

空欄があっても自己判断で埋めず、案内された箇所を正確に記入しましょう。

 

※出典:

国土交通省 北海道運輸局「委任状記載例

国土交通省「委任状

 

委任者情報の記入

委任者欄には、代理人に登録手続きを任せる車検証上の所有者の情報を記入します。普段その車を使用している人ではなく、所有者として登録されている人を基準にすることが重要です。

記入するときは、次の順番で進めましょう。

 

1.車検証で所有者を確認する

2.所有者の氏名または名称と住所を記入する

3.普通車の移転登録では所定の箇所に実印を押す

 

個人名義であれば所有者本人の情報を記入し、法人名義であれば法人の名称や所在地などを記載します。所有者が家族や法人など自分以外になっている場合は、自分の情報を書かないよう注意が必要です。

車検証を手元に置き、所有者を確認しながら記入しましょう。

 

委任状の入手方法

車売却に使用する委任状は、買取業者から受け取るほか、公的機関のWebサイトから入手できます。どの書式を使うか迷った場合は、実際に手続きを行う買取業者の案内を確認することが大切です。

ここでは、買取店で用意してもらう方法と、公的サイトから自分で準備する方法を整理します。

買取業者からの受領

車を買取業者へ売却する場合は、業者が用意した委任状を受け取る方法があります。自分で書式を探す必要がなく、実際の売却手続きに合わせた用紙を使えるため、準備を進めやすい方法です。

主な特徴を整理すると、次のとおりです。

 

項目

内容

入手先

車を売却する買取業者

メリット

使用する書式を自分で選ぶ必要がない

記入時の注意

指定された箇所のみ正確に記入する

 

買取業者から委任状を受け取った場合は、記入方法の案内もあわせて確認しましょう。受任者など、自分では判断しにくい項目がある場合は、空欄を自己判断で埋めないことが大切です。

分からない部分を確認してから記入すれば、書類の訂正や準備し直しを防ぎやすくなります。

 

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国土交通省サイトからのダウンロード

委任状を自分で準備する場合は、国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトから様式をダウンロードできます。公的機関が公開している書式を使えるため、一般的な登録手続きに使用する委任状を確認したい場合に便利です。

主な特徴を整理すると、次のとおりです。

 

項目

内容

入手方法

WebサイトからPDFをダウンロードする

確認できる内容

委任状の様式や記載項目

記入時の注意

車検証を確認しながら車両情報を記入する

 

委任状には、受任者の情報や対象車両を特定するための項目があります。自動車登録番号や車台番号などは、車検証を確認しながら正確に記入しましょう。

なお、買取業者から使用する書式を指定されている場合は、自分で別の用紙を準備せず、案内された書式を使うほうがスムーズです。

 

※出典:国土交通省「委任状

 

地方運輸局サイトからのダウンロード

委任状は、各地域を管轄する地方運輸局のWebサイトから入手する方法もあります。委任状だけでなく、記載例や登録手続きに関する案内が掲載されている場合もあり、書き方を確認しながら準備したいときに役立ちます。

主な特徴を整理すると、次のとおりです。

 

項目

内容

入手先

各地方運輸局のWebサイト

確認できる内容

委任状の様式や記載例

利用時のポイント

管轄地域の案内を確認する

 

地方運輸局のページを利用する場合は、自分の地域を管轄する運輸局や運輸支局の案内を確認すると分かりやすいでしょう。記載例が公開されていれば、委任状のどこに何を記入するのかも確認できます。

書式だけを入手するのではなく、記載方法まであわせて確認すると記入ミスを防ぎやすくなります。

 

※出典:国土交通省 東北運輸局「様式ダウンロード(自動車登録関係)

 

委任状の提出時に準備するもの

普通車の売却で名義変更を代理人に任せる場合は、委任状とあわせて実印や印鑑証明書などの準備が必要です。これらは、旧所有者の確認や車の譲渡を証明するために使われます。

ここでは、委任状の提出時に準備する主なものについて解説します。

 

実印

普通車を売却する際は、委任状や譲渡証明書への押印に実印を使用します。個人の実印とは、市区町村で印鑑登録をした印鑑です。

買取業者などの代理人に移転登録を任せる場合は、旧所有者の委任状に実印を押します。また、車を譲り渡したことを証明する譲渡証明書にも、譲渡人である旧所有者の実印が必要です。

売却手続きを始める前に、使用する印鑑が登録済みの実印か確認しておきましょう。似た印鑑を複数持っている場合は、印鑑証明書と対応しているものを取り違えないよう注意が必要です。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10~11)

 

印鑑証明書

普通車を売却する際は、旧所有者の印鑑証明書を準備します。個人の場合、印鑑証明書は市区町村に登録された実印を確認する書類です。

移転登録に使用する印鑑証明書は、発行から3か月以内のものが必要です。売却する側が用意するのは、旧所有者分の1通が基本となります。車の売却と購入を同時に進める場合などは、別の手続きでも必要になることがあるため確認しましょう。

また、車検証と現在の氏名や住所が異なる場合は、変更の経緯を確認できる書類が必要です。取得前に車検証の登録内容を確認しておくと、準備を進めやすくなります。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10)

 

譲渡証明書

譲渡証明書は、普通車の所有権を旧所有者から新所有者へ譲り渡したことを証明する書類です。売却に伴う移転登録では委任状とは別に必要となるため、それぞれの役割を理解して準備しましょう。

譲渡証明書には、車名や型式、車台番号、譲渡年月日などを記入します。あわせて、譲渡人と譲受人を確認できる情報を記載し、譲渡人である旧所有者が実印を押します。

記入するときは、記憶に頼らず車検証を見ながら進めることが大切です。特に車台番号は対象となる車を特定する重要な情報なので、数字や英字に誤りがないか提出前に確認しましょう。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 10)

 

軽自動車の売却で委任状の代わりに使う申請依頼書

軽自動車の名義変更を本人以外が行う場合は、普通車の委任状ではなく「申請依頼書」を使用します。買取業者に手続きを任せる際も、軽自動車に対応した書類を準備することが大切です。

ここでは、申請依頼書の役割、入手先、記入する内容を整理します。

 

申請依頼書の役割

申請依頼書は、軽自動車の名義変更などを本人以外が行う際に、手続きを任されていることを示す書類です。売却後の名義変更を買取業者などに任せる場合も、必要に応じて提出します。

主な役割は、次のとおりです。

 

・手続きを行う代理人を明らかにする

・依頼された手続きの内容を明らかにする

・手続きの対象となる車を特定する

 

名義変更で使用者が変わる場合は、新しい使用者本人以外が手続きを行うときに申請依頼書が必要です。使用者が変わらない場合は、現在の使用者本人以外が手続きをする際に使用します。

普通車で使う委任状とは書類が異なるため、軽自動車では申請依頼書を準備すると覚えておくと分かりやすいでしょう。

 

※出典:軽自動車検査協会「各種申請書類の一覧と記入例

 

申請依頼書の入手方法

申請依頼書は、軽自動車検査協会や買取業者から入手できます。自分で準備する場合は、名義変更など実際に行う手続きに対応した様式を選ぶことが大切です。

主な入手方法は、次のとおりです。

 

・軽自動車検査協会の公式サイトからPDFをダウンロードして印刷する

・軽自動車検査協会の事務所や支所で入手する

・買取業者が用意した書式を受け取る

 

車を買取業者へ売却する場合は、まず使用する申請依頼書を用意してもらえるか確認するとスムーズです。自分で準備する場合も、手続きに合わない様式を選ぶと書き直しが必要になる可能性があります。

使用する書式が分からないときは、手続きを任せる買取業者へ確認しましょう。

 

※出典:軽自動車検査協会「各種申請書類の一覧と記入例

 

申請依頼書の記入項目

申請依頼書には、誰がどの車について、何の手続きを行うのかが分かるように必要事項を記入します。名義変更で使用する様式では、代理人や対象車両などの情報を確認しながら記載することが大切です。

主に確認する項目は、次のとおりです。

 

・代理人の氏名と住所を記入する

・該当する手続きの内容を確認する

・車両番号を記入する

・車台番号を記入する

 

車両番号や車台番号は、記憶に頼らず車検証を確認しながら記入しましょう。軽自動車の名義変更に使用する申請依頼書には押印欄が設けられていません。

そのため、古い情報ではなく、現在の様式や買取業者の案内を確認して準備することが大切です。

 

※出典:軽自動車検査協会「申請依頼書 様式5

 

車売却で委任状だけでは対応できないケース

車の所有状況や名義人の状態によっては、通常の委任状を用意するだけでは売却手続きを進められません。別の権利関係や手続きが関わる場合は、それぞれに応じた確認や書類の準備が必要です。

ここでは、所有者が本人でない場合、相続が関わる場合、成年後見制度を利用している場合の対応を整理します。

 

ローン会社名義の所有権解除

車検証上の所有者が信販会社や販売店の場合は、使用者本人の委任状だけでは車を売却できません。ローン購入では、支払いが終わるまで信販会社などが所有権を持つ「所有権留保」が設定されていることがあります。

売却前に確認する内容を整理すると、次のとおりです。

 

確認項目

内容

車検証の所有者

信販会社や販売店になっていないか確認する

ローンの状況

残債や完済しているか確認する

必要な手続き

所有者へ所有権解除の方法を確認する

 

ローンを完済していても、車検証上の所有者が自動的に使用者へ変わるわけではありません。信販会社や販売店の名義が残っている場合は、所有権解除に必要な手続きを確認する必要があります。

車を売却する前に車検証の所有者欄を確認し、本人以外の名義であれば早めに問い合わせましょう。

 

※出典:国土交通省 自動車保有関係手続ワンストップサービス「申請画面マニュアル 移転一時抹消登録(代理人による申請)」(Page 13)

 

故人名義の相続手続き

車検証上の所有者が亡くなっている場合は、故人の委任状で売却するのではなく、相続に基づく手続きが必要です。車も相続財産に含まれるため、まず誰がその車を相続するのかを明らかにしてから手続きを進めます。

主な確認内容は、次のとおりです。

 

確認項目

内容

相続人

戸籍などで相続関係を確認する

車の相続先

誰が車を取得するのかを確認する

必要書類

相続方法に応じた書類を準備する

 

手続きでは、戸籍謄本や法定相続情報一覧図の写しなど、相続関係を確認できる書類を使用します。遺産分割によって相続人を決める場合は、遺産分割協議書が必要になることもあります。

故人名義の車は通常の代理売却とは扱いが異なるため、相続関係を整理したうえで売却の準備を進めることが大切です。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 13~14)

 

判断能力が不十分な名義人の成年後見手続き

成年後見制度を利用している名義人の車を売却する場合は、成年後見人などに与えられた代理権や同意権の範囲を確認したうえで手続きを進めます。権限の範囲は、利用している制度によって異なります。

主な違いを整理すると、次のとおりです。

 

区分

代理権の考え方

成年後見人

本人の財産に関する法律行為を広く代理できる

保佐人

家庭裁判所から与えられた代理権の範囲で対応する

補助人

家庭裁判所から与えられた代理権の範囲で対応する

 

車の売却は財産に関する法律行為にあたるため、誰がどの範囲まで代理できるのかを確認することが重要です。成年後見人であれば財産に関する法律行為について包括的な代理権がありますが、保佐人や補助人は個別に与えられた代理権によって対応が変わります。

売却前に権限の内容を確認し、必要な書類をそろえて手続きを進めましょう。

 

※出典:神戸家庭裁判所「成年後見人・保佐人・補助人ハンドブック」(Page 19)

 

委任状の提出前に確認するポイント

車売却の委任状は、提出前に記載内容をほかの書類と照らし合わせることが大切です。内容に食い違いがあると、訂正や追加書類の準備が必要になる場合があります。

ここでは、所有者の情報、対象車両、委任する手続きの確認方法を整理します。

 

委任者情報の一致確認

委任状を記入した後は、委任者の氏名や住所が関連書類と一致しているか確認することが重要です。車検証と現在の所有者情報に違いがないかを確認します。

提出前は、次の順番で確認しましょう。

 

  1. 車検証と印鑑証明書の氏名・住所を比較する
  2. 内容が異なる場合は変更の経緯を確認する
  3. 必要に応じて変更を確認できる書類を準備する

 

引っ越しなどで住所が変わっている場合は、住民票や戸籍の附票など、住所のつながりを確認できる書類が必要になることがあります。氏名が変わっている場合も同様です。提出前の照合は、記入ミスだけでなく、追加書類が必要なケースを早めに把握するためにも役立ちます。

 

※出典:国土交通省 関東運輸局「自動車登録業務等実施要領」(Page 12~13)

 

車両情報の一致確認

委任状を提出する前に、記載した車両情報が車検証と一致しているか確認しましょう。転記した数字や英字に誤りがないかまで、照合することがポイントです。

提出前は、次の順番で確認します。

 

  1. 委任状と車検証を手元に並べる
  2. 自動車登録番号を一文字ずつ照合する
  3. 車台番号を一文字ずつ照合する

 

自動車登録番号や車台番号は、手続きの対象となる車を特定するための情報です。特に車台番号は英字と数字が並ぶため、見間違いや書き間違いが起こる可能性があります。

記憶やナンバープレートだけに頼らず、最後は車検証と委任状を直接見比べて確認しましょう。

 

※出典:国土交通省 北海道運輸局「委任状記載例

 

委任内容の一致確認

委任状を提出する前に、記載された委任内容が実際に代理人へ任せる手続きと一致しているか確認しましょう。ここでは委任内容の書き方ではなく、完成した委任状が目的に合っているかを最終確認します。

提出前は、次の順番で確認します。

 

  1. 買取業者に任せる手続きの内容を確認する
  2. 委任状に記載された手続きや権限を確認する
  3. 空欄や不要な記載がないか確認する

 

普通車の売却では、所有者変更に伴う「移転登録」が中心です。委任状の書式によっては、記載方法は異なるため、意味が分からない空欄を自己判断で埋めるのは避けましょう。

何の権限を代理人へ任せる書類なのかを把握したうえで、買取業者の案内と照らし合わせることが大切です。

 

※出典:国土交通省「委任状

 

まとめ

車売却の委任状は、所有者本人に代わって買取業者などが名義変更を行う際に、代理権限や委任内容を示す重要な書類です。普通車では実印や印鑑証明書、譲渡証明書なども必要となり、軽自動車では委任状ではなく申請依頼書を使用します。

また、ローン会社名義や故人名義などの場合は、別途手続きが必要です。書類不備を防ぐため、提出前には所有者や車両、委任内容を確認しましょう。

弊社では、車の売却に関するご相談を各店舗への電話で承っています。委任状や必要書類について分からない点がある場合も、お近くの店舗へお気軽にお問い合わせください。

 

 

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